ひゃくなな ページ15
貴女side
小さな咳払いが聞こえる。
エリス「きもい!」
鷗外「少しで善いんだよ!」
エリスちゃんが吐き捨て
リンタロウ医師が懇願したところで、声がする。
織田「首領。織田です。這入ります」
この声は……!
鷗外「ねえエリスちゃん、ドレス着てよう、
一瞬、ちょこっと!一秒さっと着るだけ!」
貴女『首領!!来客だよ!?
あっ、ちょ、待って待って何で私を盾にするの!?
エリスちゃぁぁぁん!?』
それから数秒後、再び作くんの声。
織田「首領。織田です。這入ります」
鷗外「ああっ、ほら、
そんなに脱ぎ散らかしちゃあ駄目じゃあないか。
高価かったのだよ、そのスカァトは。
Aちゃんも手伝ってよ、ケェキあるから」
貴女『ねぇもう帰って善い!?善いよね!?』
結局、昨日と同じくだりじゃん!!←
織田「失礼します」
あああ作くん入って来ちゃったぁぁ!!
エリス「いやよ、絶対いや」
鷗外「ねえお願いだよエリスちゃん、
着てみて、ね?私が丹精込めて選んだのだよ。
ご覧よこの深紅の
まるで花弁のようだ、絶対に似合うよ!」
エリス「綺麗なお洋服はいやじゃない。
リンタロウの必死さがいや。Aに着せなさいよ」
貴女『やだよそんな歳じゃあないもの』
鷗外「何時もの事じゃあないか、
ほら追い詰めたぞお!」
織田「首領」
作くんが声を掛けたことで
リンタロウ医師とエリスちゃんは作くんを向く。
ごめんね、作くん。止められなくて。
それよりこの二人が笑顔で怖い。
織田「御指示に従い参上しました。ご用件は」
リンタロウ医師の視線が助けを求めている視線だ。
やめて、作くんにそんな事をさせないで!?←
織田「招集の用件は何でしょう、首領」
鷗外「えっと……」
リンタロウ医師は部屋を見回した後、
エリスちゃんと私を交互に見て云った。
鷗外「何だっけ?」
エリス 「しらない」
貴女『知らない』
エリスちゃんはリンタロウ医師を睨んだ後、
隣室の扉を開けて去っていった。
私は座っていた椅子から降りて
(散々騒いでいたけど座ったままだった)
作くんの隣に立った。
それからリンタロウ医師は
きょろきょろと室内を見回した後、
中央の執務机の背後に回り込み、
手元のスイッチを押した。
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年5月13日 15時