きゅうじゅうよん ページ2
no side
貴女『お疲れ様でしたぁ』
Aが手を振る。
鷗外「とっっても
平常運転の森鷗外こと
エリス「おそろい着れてうれしかったわ!」
貴女『私もだよエリスちゃん!』
キャッキャウフフとはしゃぐAとエリス。
それを見て鼻を抑える森。
貴女『あっ…この後、約束あるんだった!
お休みなさいリンタロウ医師、エリスちゃん!』
鷗外「嗚呼、お休みAちゃん」
エリス「またね!A!」
美飾服を着ているのにも関わらず
Aは身軽な動きで走り去っていく。
行き先はポートマフィアの楼閣。
首領や幹部が居る塔とは別の。
貴女『作くん…何か、判ったかな』
ヒョイっと段差を飛び越えてふと立ち止まる。
貴女『………誰?』
太宰「今晩はAさん。驚かせてごめんなさい」
貴女『治くん?どうしたの?』
月を背後に太宰は微笑む。
Aは不思議そうに尋ねた。
太宰「織田作が探していたから…
何かあったのかと思って」
貴女『なるほど…それで?』
Aの「それで?」には
何か背筋の冷える威圧感があった。
太宰「……故郷について調べてるんですね」
貴女『駄目だったかな』
太宰「
貴女『両親について知りたいのは当然でしょう?』
太宰「それは…
貴女『…!』
太宰は淡々と話す。
Aの表情は徐々に悪くなっていった。
貴女『ちが、パ、パとママは、』
太宰「……」
貴女『私が…居なくなった後が気になって、』
太宰「そうですよね。ごめんなさいAさん。
嗚呼、織田作なら通信保管所に居ましたよ」
先程とは打って変わって
明るく愉しげに太宰は話す。
Aはグラグラと揺れる視界に目眩を覚えつつ
ありがとう、と礼を云ってその場を後にした。
太宰「…意地悪する
Aさんが心配だった。らしくもなく、ね」
誰に云うでもなく呟いた太宰は
ゆっくり夜の闇に姿を消していった。
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年5月13日 15時