夢主、幼児化する３ ページ23
no side
貴女『そんなの……
皆に見えていない様だったし……
それに貴方は皆の会話に加わらなかっただろ』
織田「よく…見ているんだな」
貴女『人間観察は得意分野だ』
光のない瞳でAは淡々と告げる。
貴女『聞きたいことはそれだけだろ。
もう私を放っておいてくれ』
織田「……済まないがそれは出来ない」
何で、そう云おうとしたAは
織田によって抱きしめられていることに気付く。
抱き締めると云っても織田は霊体なので
ハッキリとした感触がある訳では無い。
織田「俺は…Aの恋人だと云ったろう。
大事な人を放っておく事なんて出来ない」
半透明の織田の腕がAを包み込む。
Aは温かい、そう密かに思った。
貴女『う……でも、でも…大人は怖いんだ……
善い人も居るって知ってる。でも……』
織田「少なくとも探偵社は善い人ばかりだ。
Aを裏切ったり、傷付けたりしない」
力強く織田は云う。
貴女『そう…なのかな。信じていいのかな』
織田「嗚呼」
貴女『そっか…そっかぁ……』
Aはポロポロと涙を零しながら
嬉しそうに笑った。
織田「…！迎えが来たぞ」
織田がそう云い終わった瞬間に違う声が響く。
太宰「Aさん！！」
貴女『えっと……だ、ざいさん…？』
太宰「ふふふ、ゆっくり思い出せば善いんですよ。
さ、帰りましょう」
太宰はそう笑って手を差し出した。
Aは一瞬、織田の方を見たが
織田が微笑んでいるのを見て太宰の手を取った。
太宰「実はAさんが走っていったあと
与謝野さんやナオミちゃんが何処からか
コスプレ衣装を用意し始めちゃったんですよ」
貴女『コスプレ…？』
太宰「
………着てみます？」
貴女『………………………うん』
物凄い間があってからAが頷く。
太宰は意外そうに目を見開いたあと
ふふっと笑って皆喜びますよ、と楽しそうに云った。
数分後の探偵社では
着せ替え人形と化したAが居たんだとか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沙羅
| 作成日時：2019年2月15日 22時
