さんじゅうきゅう ページ42
太宰side
Aちゃんが高熱を出して寝込んだ。
最初は風邪かと思っていた。
冷やしタオルをあてたり
なるべく寝かせたりして起きるのを待っていた。
でも一日経っても起きなかった。
流石におかしい事は目に見えて判った。
慌てて与謝野さんに連絡をして
探偵社の医務室に連れて行くと伝え
部屋を飛び出した。
与謝野さんの適切な処置を受けて
Aちゃんは三日も眠り続けた。
太宰「私ね、作くんに会ったの」
三日前に織田作の名前を出したせいで
Aちゃんは熱を出したと思っていたから
謝ったのだけれど……
また「大丈夫」と
飛び出してきたのは織田作に会ったという言葉。
太宰「織田作に…夢で、かい？」
貴女『夢だと云ったら夢だと思うよ。
でも……ちゃんとお話したの』
若しも織田作と会ったと云うなら
Aちゃんは死にかけていた事になる。
だって織田作はもうこの世にいないから。
貴女『作くんがね、未だ来る時じゃないって。
私を呼んでいる人が居るから』
太宰「……」
貴女『時が来たら迎えに来るって云ってくれた』
太宰「そっか…織田作に、助けられたんだね」
貴女『うん…！』
未だ病み上がりだからだろう。
弱々しい笑顔で、でも嬉しそうに云った。
太宰「戻って来て善かったよ」
貴女『作くんと治くんと晶子ちゃんのお陰だね』
太宰「うふふ…
与謝野さんにはお酒でも奢ろうかなぁ」
貴女『私も何かお礼しないとね』
国木田君の居る時にお酒をあげようかな。
…面白そうだし。
あ、鏡花ちゃんの事も云っておこうか。
太宰「そうだ、善い報せがあるのだよ。
鏡花ちゃんが仮社員として採用されたよ」
貴女『本当？じゃあお豆腐でもあげようかな』
鏡花ちゃんの事は既に知っている様子だったし
別段驚いた様には見えなかった。
貴女『あ、
太宰「未だ来てないよ。でも…そろそろかな」
貴女『予想は明日と立てておくね』
太宰「Aちゃんの予想は当たるから怖いなぁ」
貴女『そう云う治くんの予想も当たるでしょう？』
うふふ、と二人して笑う。
Aちゃんが目を覚まして本当に善かった。
.
.
……織田作、有難う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙羅(プロフ) - コメントありがとうございます！わー！？何でそんなに嬉しいこと言ってくれるんですか！？本当にありがとうございます！誤字指摘もありがとうございます！探して直しておきますね！ (2019年6月27日 16時) (
レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか - 沙羅さんの作品、ほんとに好きです！思わず一気見しちゃいましたw誤字、でしょうか。太宰さんの太の字が大になってます。 (2019年6月27日 8時) (レス) id: 523f0370de (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます！最近は少し忙しくて更新できていませんが、なるべく更新するようにしますね！今後もよろしくお願いします！ (2018年11月29日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2018年11月25日 9時) (レス) id: 7cd0412924 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沙羅
x他1人 | 作成日時：2018年5月26日 21時
