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さんじゅうろく ページ39

太宰side


マフィアから戻った夜。

私はもう一度Aさんに謝罪をした。


太宰「昼は、その…済みませんでした」

貴女『え?ああ…大丈夫よ!』


二パッと笑って流されてしまったが。




太宰「……」




顔を合わせられなくて(うつむ)いていたら

頭に少しの重みを感じた。



それはAさんが手を乗せていたから。



貴女『もう!そんな顔しないで?大丈夫だから!
それに!"さん"は禁止って云ったでしょ!』

太宰「でも…」



貴女『怖い思い出はみーんなあるでしょう?』

治くんも一つ位あるでしょ?と聞かれ

まあ、と答えるしかなかった。


貴女『怖い思い出があるから
私も、治くんも、皆も強くなれるの。
善い思い出だけなら脆く弱い人間のままよ』

太宰「そう、ですよね」


わしゃわしゃと頭を撫でられて

思わず笑みがこぼれる。


Aさんの言葉が

ゆっくり、そして重く心に響いてくる。


…その通り、だなぁ。


太宰「…有難うございます」

貴女『敬語!』

太宰「あっ」



Aさ…Aちゃんが笑う。

私もつられて笑った。



貴女『さあ!明日は出勤だよ?』

太宰「えー!私休みたい!」

貴女『えっ?でもでも…独歩くん怒るよ?』



マフィアに捕まったんだから

一日くらい善いじゃない?



太宰「私が休むのにAちゃんが出社したら
私の行方とか色々と聞かれるよ?」

貴女『う"っ…』

(わざ)とらしく顔を歪めるAちゃん。



太宰「一日なら大丈夫だよー」

貴女『…そうだね!』

ポンと手を叩いて笑うAちゃん。



貴女『じゃあ明日はー…』

太宰「?」


貴女『散らかった酒瓶の片付けと、治くんが脱ぎ散らかしたお洗濯物の片付け。積み重なった蟹缶の処分。読み散らかした本の整頓。治くんが買って来た飲食物の入っていたパックや袋の片付け。音は立てられないから払塵(はたき)や箒で部屋のお掃除でもしようかな!』

太宰「ア…ハイ。」

ほとんど一息に云い切ったAちゃん。



貴女『勿論、治くんも手伝ってくれるよね?』

太宰「ハイ、モチロンデス。」



凄くいい笑顔だった。


Aちゃん……









.









部屋、散らかしてごめんなさい。

さんじゅうなな→←さんじゅうご



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沙羅(プロフ) - コメントありがとうございます!わー!?何でそんなに嬉しいこと言ってくれるんですか!?本当にありがとうございます!誤字指摘もありがとうございます!探して直しておきますね! (2019年6月27日 16時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか - 沙羅さんの作品、ほんとに好きです!思わず一気見しちゃいましたw誤字、でしょうか。太宰さんの太の字が大になってます。 (2019年6月27日 8時) (レス) id: 523f0370de (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!最近は少し忙しくて更新できていませんが、なるべく更新するようにしますね!今後もよろしくお願いします! (2018年11月29日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2018年11月25日 9時) (レス) id: 7cd0412924 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 x他1人 | 作成日時:2018年5月26日 21時

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