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no side
Aの容姿というものはまあ美人に部類される。
よって１人で居れば目立つわけで。
「名前はなんて言うん？」
「稲高では見たことないなあ。どこの学校なん？」
「めっちゃべっぴんさんやな自分！」
稲荷崎高校の近くにて
その稲荷崎の生徒にナンパされていた。
『ｯ……人待っとるんです、ごめんなさい。』
Aの順応能力はカンストしている。
郷に入っては郷に従え。
関西の方言を使うのもお手の物だ。
(人見知りは変わらず)
「えぇ、そんなこと言わんといてや〜」
「名前ならええやんか！」
『ほ、ほっといて下さい。』
「冷たいなあ。」
Aは早くバレー部終われ、なんて考えながら
門の外から敷地内を覗く。
「そういや誰待っとるん？」
「俺呼んだろか？」
「休日部活しとる奴らは運動部やんな。
俺らサッカー部やねんけど他はどこやったっけ。」
Aは心底めんどくさそうな顔をして
バレー部だと告げる。
「……なんや、バレー部かい。」
「どうせ宮ツインズやろ？」
「ミーハーとかないわ。」
何だコイツら、そう出かけた言葉を飲み込んで
Aはそっと様子を伺う。
「出待ちとかアイツらも迷惑しとるやろ。」
「声かけて損したわ。」
「せいぜい頑張りや。」
その言葉にカチンときたA。
しばらく見た顔になら話しかけられる。
『そらどうも。
……稲高のサッカー部は性格悪いねんな。』
「あ？」
「何や自分、可愛ええからって調子乗っとるやろ。」
「何様なん？」
『勝手にナンパしといてそっちこそ何様や。
人の顔しか見とらんくせに偉そうなこと言うなや。』
「てめぇ……」
『アンタらみたいなアホはこっちから願い下げや。
さっさと帰り。』
「ﾁｯ……行こうぜ。」
フン、と軽く鼻を鳴らしたAは
顔を背け再び正門に寄りかかる。
『こ……怖かった……はぁ、よくやった自分……！
ってか"ミヤツインズ"って誰……変な名前……』←
ポツリとそう呟いた時、
ちょうど門の向こうが騒がしくなった。
「あ〜腹減ったわ。」
「サムうっさいで。さっきからそればっかやん。」
「別にええやろ……ホンマの事やし。」
「コンビニ寄って帰る？」
「「賛成。」」
「仲ええんか悪いんか分からんな。」
「いつもの事やん。」
「ん？正門に誰かおるで。」
「？」
.
『あ……！』
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作者名：沙羅
| 作成日時：2020年3月25日 22時
