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ページ44

貴女 side





渡した紙には

日頃のリハビリを兼ねたトレーニングメニューが

所狭しと書かれている。





ランニング、直上トス、壁に打つやつ(語彙力)。





テツ達にも自主練を兼ねて手伝って貰っているから

まぁ色んなことが出来る。





「結構ハードやな。」


『中学より少しは減りましたよ。
部活やってた分、中学のがハードでした。』


「……そんで?どこまで戻したいん?」





先生の言葉に私は素直に答える。





『中学の頃まで。』


「無理や。」


『分かってます。でも戻したいんです。』





無理だと言われるのは分かってた。

反対されるのも分かってる。





だって無茶だ。

死んだものを生き返らせるくらい無理だ。





『マネージャーやって気付きました。
バレーって凄い楽しいスポーツなんです。
私はまだバレーがやりたいんです。


また、あのコートに立ちたい。
跳んで、打って、点をとって、喜びたい。
負けて泣くのも良い。それも楽しいから。


幼馴染にリハビリ手伝って貰って
普通のバレーは出来るようになりました。
でも足りないんです。



──────妥協は嫌いです。



"普通のバレー"じゃ嫌なんです。
"上を目指せるバレー"がしたい。』






勢いのままに、口から出る言葉を止めずに、

私が今思っている全てをぶつける。






安本先生は静かに聞いてくれた。

きっと考えている。先生は優しいから。

でも先生は医師(センセイ)だから。







「…………Aの気持ちは十分に分かった。
本気なんやな。」









私は頷く。









「──────でも、駄目や。」









そう言われるのは、分かっていた。

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年3月25日 22時

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