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貴女 side
渡した紙には
日頃のリハビリを兼ねたトレーニングメニューが
所狭しと書かれている。
ランニング、直上トス、壁に打つやつ(語彙力)。
テツ達にも自主練を兼ねて手伝って貰っているから
まぁ色んなことが出来る。
「結構ハードやな。」
『中学より少しは減りましたよ。
部活やってた分、中学のがハードでした。』
「……そんで?どこまで戻したいん?」
先生の言葉に私は素直に答える。
『中学の頃まで。』
「無理や。」
『分かってます。でも戻したいんです。』
無理だと言われるのは分かってた。
反対されるのも分かってる。
だって無茶だ。
死んだものを生き返らせるくらい無理だ。
『マネージャーやって気付きました。
バレーって凄い楽しいスポーツなんです。
私はまだバレーがやりたいんです。
また、あのコートに立ちたい。
跳んで、打って、点をとって、喜びたい。
負けて泣くのも良い。それも楽しいから。
幼馴染にリハビリ手伝って貰って
普通のバレーは出来るようになりました。
でも足りないんです。
──────妥協は嫌いです。
"普通のバレー"じゃ嫌なんです。
"上を目指せるバレー"がしたい。』
勢いのままに、口から出る言葉を止めずに、
私が今思っている全てをぶつける。
安本先生は静かに聞いてくれた。
きっと考えている。先生は優しいから。
でも先生は
「…………Aの気持ちは十分に分かった。
本気なんやな。」
私は頷く。
「──────でも、駄目や。」
そう言われるのは、分かっていた。
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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年3月25日 22時