第7話 ページ41
no side
『…とまぁそんな感じで!!行ってきます!』←
《は?》
《…》
時は進んで金曜日の夜。
Aはチャットアプリのグループ通話を開いて
開口一番にそう言い放った。
『夜行バスで行くから「行ってきます」って
言えないじゃん?
荷物まとめてる今のうちに言おうと思ってさ。』
《あー…なるほどな。気を付けて行ってこいよ。》
《……行ってらっしゃい。》
『冷たいなあ2人とも!!』
《《他に何を言えと。》》
『やだん、仲良し((ハート』←
きゃっ、と嘘くさい悲鳴を上げるAに
本気で通話を切ろうか悩む2人。
『まぁそんな茶番は置いといて。
お土産は何がいい?交通費安いから何でも良いよ!』
《そもそもどこに行くか知らねえんだけど。》
《通院のために夜行バス使うってどこまで行くの?》
孤爪の言う通りである。
たかが通院に他県まで行くとは何事か。
『あれ、言ってなかったっけ?
《兵庫ォ?》
《安本先生そんな方まで行ったんだ。》
『そうなの…腕利きの先生だから
色んな所で講習会とか研修とかする為に…って。』
メソメソと泣き真似をしながら
カバンに着替えやら何やらを詰めるA。
《お前 安本先生大好き過ぎだろ。ファンか。》
『ファンですが何か?←
地元が関西らしくてさ、たまに出る方言が良き。』
《…お土産はゴー○ルと神○プリンでよろしく。》
『任せろ研磨。テツも同じで良い?』
《貰えるなら貰う。》
『オッケイ!』←
荷物の確認を終えたAは
カバンを担いで立ち上がる。
『おじーちゃーん!おばーちゃーん!
そろそろ出発するねー!』
「保険証持った?」
「財布も持ったか?」
『持った持った!!
じゃあテツと研磨も電話ありがとね!
行ってきまーす!』
《行ってら〜》
《行ってらっしゃい。》
プツ、と電話を切ったAは
元気よく外へ出て行く。
ふと隣の家を見上げれば
窓際に座っていたのであろう孤爪と目が合う。
『!』
「……」
孤爪は何も言わずに小さく手を振る。
Aも軽く手を振り返して歩き出した。
幼馴染の間に言葉は要らない。
幼稚園の頃から一緒に過ごしてきた孤爪とは
嫌でも考えている事が分かるから。
(たまに例外はある。主にAの思考について)←
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兵庫県で察した方も居るのでは?((
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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年3月25日 22時