幼馴染は凄い【ハイキュー!!】【音駒】 (ページ30)

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no side

『……』

「先輩？」

Aはボールをじっと見つめる。

「……出し惜しみ禁止だぞ？」

『！』

猫又の言葉にハッ、と顔を上げるA。

『……せっかく貰った３球ですもんね。
よし、影山君。
今度はネットから２０cm離してもらえるかな？』

「に、２０cmですか？わ、分かりました！」

『高さは同じ位でいいから。』

さっきとは明らかに顔付きが変わったA。

何だ何だと烏野側はざわめく。

「大地、旭、あれスゲーから。
特に旭はよく見といた方が良いべ。」

「えっ……？俺？」

「スガは知ってるのか？」

「もちろん！俺もセッターだからね。
あ、ノヤっさんもちゃんと見とけよー？」

「名指し！？」

菅原が名指しにするのは当然だった。

Aのスパイクは見るに値する。

「行きます！」

『よっしゃ！』

Aに言われた通り

ネット上５センチ、ネットから２０センチの

ピンポイントにトスを上げる影山。

『ナイスコース……！』

先程と同じように勢いよく踏み切ったA。

今度は左腕(・・)を振り上げた。

「左！？」

「両利きなのか！？」

右で打った時とは比にならない程大きな音がして

ボールはドゴッ、という重たい音と共に落ちる。

『ｯ～！！気持ちぃぃぃ！！』

「先輩の左打ち……！ｼｬｯ……！！」

着地したAの元に

ワラワラと集まる両校の部員たち。

「生で見るとやっぱり違うべ！」

「【コート上の曲芸師】の名も伊達じゃねぇな！」

「両方で打てるなんて……！凄いね水瀬さん……」

「ふぉ～！！どうやって左で打つんですか！？」

菅原、西谷、東峰、日向の順で話し、

少し照れた様に頭を下げるA。

「お疲れマネージャ～」

「相変わらず凄い左スパイクだね。」

「俺未だに取れるか微妙だわ。」

「「先輩すごいです！！」」

黒尾、海、夜久、1年2人にも詰め寄られ

ワタワタと後ずさるA。

『け、研磨ぁ……』

「……お疲れ様。ちゃんとストレッチしてね。」

『うす…』

それからAは影山の元に寄り頭を下げる。

『影山君、トス上げてくれてありがとう。
物凄く打ちやすかったよ！』

「俺の方こそありがとうございました！
１本目はボール流れてすんません！」

『いやいや！
あんな細かい注文した私が悪いから……』

Aはバツが悪そうに苦笑いした。