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3話 ページ8

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────2年生に進級した時の話






「1年1組犬岡走です!」


「い、1組4組芝山優生です!」


『……はい。』





Aの前には新入生が2人。凄い元気。

ちなみにAはコミュ障である。(初対面に限る)





「マネージャーさんッスよね?」


『まあ……』


「あの!これ!入部届けなんですけど……」


『ああ……バレー部に……はい。貰いますね。』


「「ありがとうございます!お願いします!」」





バッと頭を下げる2人に

Aは微妙な顔をして頷く。

こういうのが嫌いらしい。わぁ孤爪クンみたい。((





「先輩ってバレー経験者ですか?」


『……何で?』


「背が高いし……何となくッス!」





Aは少し考える。

バレー経験者(一応有名人)だとバレたら面倒だ、と。


もし中学時代の事を知っていたら

絶対に面倒くさい、と。





『……どうでしょう?』





ニッコリスマイルはどこか黒尾に似ていた。

底の見えないタイプの笑顔。





「えっ……お、教えてくれないんすか?」


『………………どうしても知りたかったら
犬岡君のバレーの腕前を見てからかな。』


「!!分かりました!!」





元気よく頷く犬岡。

芝山は少しオロオロしながら様子を見ていた。





『……今日は"部活動見学+体験の日"だから
少しはボールに触れると思うよ。』


「「はいっ!!」」


『……じゃ。』





Aは入部届けを持ってその場を後にする。





そんな様子を見ていた人物が

そろりとAに近寄った。





「よーうA、ご苦労さん。」


『………自分で受け取って欲しかった。』


「コミュ障克服の為だろ。」


『テツの馬鹿。』


「お前ますます研磨に似てきてね?」


『もっかい双子やろうか?』


「マジ?」


『やっべぇ失言。』


「んじゃ今日の部活でヨロシク〜
おっ!あそこにいるの研磨じゃね?ちょうど良い!」


『逃げて研磨。超逃げて。』






Aの制止も空しく

黒尾は歩いていた孤爪を呼び止める。






「………何。」


「今日の部活でAと双子やって♡」


「やだ。」


「お願い♡」


「"♡"気持ち悪い。面倒だからやだ。
何でそんな事しなきゃいけないの。」


『すまぬ研磨……私の失言が原因だ…』


「………………ばか。」


『ごめん………』




パンッと手を合わせ頭を下げるA。

孤爪は仕方なくAの頭を撫でる。




「…………しょうがないな。」

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年3月25日 22時

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