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no side





「すげーよなー東京から来るなんて。」


「向こうのセッターなんか小さくね?」


「うん…それになんかヒョロヒョロしてる。」


「控えのセッターなんじゃないの?」


「強いのかな?学校名聞いたことないよな。」


「音駒高校だっけか。」





体育館の入口付近で交わされる会話。





そんな彼らの背後に立ったのは

音駒高校部長、黒尾鉄朗だった。





「───君等の言う"ヒョロッヒョロのチビ"とは」





「うおっ!?」

「!」






「俺達 音駒の"背骨"で、"脳"で、"心臓"です。」






不敵な笑みを浮かべる黒尾に

その場にいた部員達は少し背筋が冷える。






『……練習試合、始まりますよ。』





さらに響く冷たい声音。

孤爪の事をヒョロヒョロと言われたのが

気に食わないらしい。





振り返った部員達が見たのは

それはそれは綺麗に微笑むA。(怖い)






「音駒高校 対 槻木澤高校 練習試合 始めます!!」






次いで響き渡る審判の声とホイッスル。

Aはノートを片手にベンチ付近に立った。






「行くぞ。」






黒尾の声に選手達は一斉にコートへ入る。

試合はあっという間に進んだ。






「どう思う?A。」


『相変わらず"しなやか"だなぁと。』


「まさかそんだけじゃねぇだろうな?」


『エッ、ダメっすか。猫又監督。』


「お前さんマネージャーだろ。」


『正論すぎて。』





Aは真顔で頷く。

それから当然の事を言う様に口を開く。





『そうですね、穴は無いんですけど……
今日は最初の1歩が遅いな、と。』


「ほう。」


『まぁ初日ですからね。
……全力で鍛え直し出来ますから良いですけど。』


「……お前さん、意外と厳しいのな。」


『生半可な気持ちでマネージャーやってません。』


「わはは!そりゃ頼もしいな!」


『猫又監督こそ戻って来てくれて頼もしいです!』


「『ははは!』」←







……意外と仲良しである。←








そんなこんなで()

ホイッスルが鳴り響き、試合終了を告げる。







「集合!」


「「あス!!!」」






クールダウンを終えた音駒は

黒尾の号令で集まり片付けを始める。






『今日のセンパイは立て直し遅くなかったですか?』


「マジ?」


『レシーブ受けてから起き上がるまで3秒。
いつもなら2秒もかかりますぇん。』


「すぇん。」


『すぇん。』






Aの真顔の『すぇん。』出ました。←

・→←・



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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年3月25日 22時

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