警察もとい公安警察です・５【名探偵コナン】

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no side




ジンが撤収だ、と言いたげに手を挙げると
上にいたと思われる２人は駿東の前から気配を消した。



「"あの方"に話は通してあるんだろうな？」


「えぇ、もちろん。指示をまとめておいたわ。」



封筒を取り出し指で挟むベルモット。



「ウォッカ。」


「へい。」



"ウォッカ"と呼ばれたサングラスのガタイのいい男が
ベルモットから封筒を受け取り戻っていく。

そのまま暗闇の中へ溶けるように
ジンとウォッカは姿を消した。



「血が出てるわ……大丈夫？手当ては……」


『……平気よ、これぐらい。』




駿東は袖で頬の血を拭い、ベルモットをじっと見る。




「？」


『……私、これから何をするの？』


「あら、せっかちね。
アナタはまずゆっくり体を休めるのが仕事よ。
しっかりご飯を食べて、しっかり寝るの。」


『……そんな、子どもみたいに……』


「そんな子どもみたいな事が出来てないからよ。
アナタが寝泊まり出来る所へ案内するわ。」




いらっしゃい、と再びベルモットが駿東の手を引く。
またしても車に乗せられ数分揺られると、
豪華なホテルのような所で降ろされた。




「良い？これから私のことは「ベルモット」と
呼んでちょうだい。
お姉さん呼びも可愛くて私は好きだけどね。」


『……ベルモット、』


「……えぇ、それで良いわ。」




どこか悲しげに微笑んで頷いたベルモットは
つかつかとホテルの中へ入って行く。
駿東はあくまでマイペースで後を追った。




「これがアナタの部屋の鍵。なくしちゃダメよ。
とりあえず2週間くらいはここに居なさい。
ルームサービスも好きに使って良いから。」


『……分かった。』


「また迎えに来るからしっかり食べて寝るのよ。」


『……ん。』


「いい子ね。それじゃあ、またねKitty。」




Chu、と駿東の額にキスを落とし、ベルモットは去る。
駿東はぼんやりとした顔で見送ってから
ゆっくりとした動作で自分の部屋へと向かった。




──
────
──────



ドアにカードキーをかざすと、
小さく機械音がして鍵の開く音がした。


駿東はちらりと辺りを見渡してから
サッと部屋へ入ると素早く鍵をかけた。




『……大きな部屋、ね。』




物珍しげに部屋を見回して呟く。
ふらふらと歩いて駿東はベッドに座る。




『……ふぁ……ふ、』




それは演技なのか、本当なのか分からないが
大きな欠伸をするとゴソゴソと布団に潜り込み、
そのまま意識を夢の中へと放した。

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