警察もとい公安警察です・５【名探偵コナン】

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貴女side







──────正直、賭けだった。








いや自分から「殺してくれ」って危険過ぎでは？？
天勝おめぇやってくれたな(？)
下手したらあの場で潜入任務は失敗でしたが？？


私の表情筋が思いのほか優秀だったのと、
この女……"ベルモット"の私への執着心のようなものが
非常に強かったことで命拾いした。


この執着心(仮)については未だよく分からない。
ベルモットと私の母の関係性すらも掴めなかった。




母のコードネームは「オーロラ」。
組織にしては珍しく、穏やかで自由な人だったらしい。

それでもＦＢＩに所属していただけあって、
頭の回転が早く、実力もあったとか。


何度かベルモットと仕事をしていたみたいだけど
その時に何があった、とかは分からない。

まぁこれは追々探っていくとしよう。
私がＮＯＣの「オーロラ」の娘だと分かった上で
ベルモットは私を勧誘したみたいだから。




さて……頭を切り替えないと。
私が嗅がされたのはクロロホルム。
あの甘い匂いは間違いない。

これ嗅ぎ過ぎると気絶するし、起きる時に頭痛がする。
そんなの嫌だもんね。
ほんの少しだけ吸って気絶したフリをしておいた。




目元に違和感があるのは布を巻かれたから。
アジトを隠すことは忘れてないみたい。




「はぁ…………」




急に横から聞こえてきた溜息に耳を澄ます。
同時に赤信号なのか、車が止まったのが分かった。




「こんなにやつれて……
日本の警察に保護されたんじゃなかったの……？
どんな環境で過ごしてきたのかしら……」




普通に徹夜が３日ほど続く職場ですね。




「オーロラ……娘を守りたかったのは分かるけど、
私達が放っておかない事も分かっていたはずよね？
……きっとジンはすぐに殺そうとするわ。
アナタのことを何も知らないから。」




ジン……
確か最近よく活動するメンバーの１人、だったかな。
長髪で目付きの悪い男らしい。




「まぁ……安心してちょうだいオーロラ。
アナタの娘は私が守ってあげる。
アナタが私を救ってくれたように…………」




お母さんが……ベルモットを救った？
どういう事……？

不意にガクンと車が揺れて動き出したのだと分かる。
それからしばらく車の揺れは続き、
30分くらいしてようやく車は止まった。




シュルリと布が落ちる音がして
ゆっくり肩を揺すられる。




「着いたわよ、」


『ん……』


「さぁ、私に着いていらっしゃい。」




寝ぼけたフリをして車から降りた。

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