警察もとい公安警察です・５【名探偵コナン】

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no side




「僕はお前のそういうところが嫌い。」


『突然の悪口。』




降谷は居酒屋の個室でジョッキを呷る。




「心配してるのに、すぐそうやって話を逸らす。
こんなに悩んで僕が馬鹿みたいじゃないか。」


『ちょ……ペース早くない？？』


「話を聞けよ。」


『聞いてるよ。零は馬鹿じゃない。
心配されるほどヤワじゃないのよ、私は。』


「……」




ジト……と視線を送られて駿東は肩をすくめる。




『冗談。
心配して貰えるのは嬉しいし、感謝してる。
でも本当に私は無理してないし、大丈夫なんだよ。』


「……だとしても１人で潜入捜査なんて、
同じNOCがいたとしても誰が味方か分からないし、
Aは演技も混ぜてるんだからストレスだって……」


『皆が危険な目に遭う方が嫌だし。』


「僕達だって同じ考えだ。
Aが危険な目に遭うのは嫌だと散々言ったろ。」


『散々言われたねぇ……
まぁいざとなれば逃げるから安心してよ。』




そう言いながら駿東は降谷に酒をすすめる。
降谷は少し酔っているのか、促されるままだ。




『……皆がいる限り私は死なないよ。』


「？ 何か言ったか？」


『ふふ、何も？いい飲みっぷりだな〜って。』


「Aの相手は飲まなきゃやってられない。」


『ひど〜い。』




ケラケラと笑いながら駿東も酒を呷る。




『零、眠そうだね。最近寝てないんじゃない？』


「ん……そんな事ない……毎日1時間は寝てる、」


『寝てないんだわ、それ。』




立ち上がった駿東は降谷を無理やり横にする。




「ちょ……こんな所で寝るわけには、」


『個室だから見られないよ。
私もここにいるし、少し寝なって。』


「…………でも、」


『おやすみ、零。』




降谷の目元に手を当てて駿東は囁く。

寝不足の体に酒が入っていた降谷は
あっさりと寝落ちした。

駿東はそんな降谷の寝顔を眺めながら微笑む。




『(酒の入った睡眠の質は良くないけど……
ま、寝ないよりはマシだよね。)』




壁に掛けていた上着を降谷にかけ、
駿東は酒の残っていたグラスを手に取る。




『……これから嫌でも仕事は増える。
警察なら有り得ないくらい汚れた仕事も。

無理してない、とは言ったけど限界は来ると思う。
その時は……めいっぱい頼らせてもらうからさ。
それまでは、安心して見てて。』




駿東はそう囁くと同時に鳴った携帯の
着信画面を見て、悲しげに笑った。

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