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2話・勉強会 ページ6

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『勉強会?』


「そう。Aも来るよね。」


『疑問符どこいった??』





部活終わり、Aは片付けをしながら幸村を見る。

幸村はボールを拾い上げてカゴに入れる。





「明日の部活後、蓮二の家でやるんだ。
持ち物は課題とかとにかく勉強できるもの。」


『拒否権は?』


「ないよ。」


『知ってた。』





Aはニッコリ笑って

幸村の肩にかかったタオルを取る。





『何か差し入れでも持って行くよ。』


「うん。ありがとう、A。」





ニコニコと笑う幸村。

思わずAもつられて笑った。





「A先ぱーい!!タオル飛ばしちゃったっス!」


『は!?』


「風がビューっと!」


『えぇ!?もー!!』





Aはボールカゴ片手に走り出す。

幸村は微笑ましそうにその様子を見ていた。




『ほら赤也!カゴを倉庫にしまう!!』


「はいっス!!」


『空のボトルは流しに置いてね!』


「はいっス!!」




ボールカゴを押し付けた(?)Aは

木に引っかかったタオルを取るべく木を見上げる。




「まさか……登るのか?」


『木登りは得意だけど……?』


「部室にハシゴがあっただろう。」


『ああ、アレ故障中なんだよね。
この間登ったら足場が取れて落ちたの。』


「!?け、怪我は無かったか!?」


『え……?うん、大丈夫よ。無傷無傷。』




真田が焦ったように言うも

Aは何ともないように答える。




『あ、ほら!真田はラケット片付けて来なよ!
その手に持ったタオルとボトルもいつもの所ね!』


「う……うむ……」




ヒラヒラと手を振って真田を見送るA。

真田は納得いかぬ顔で片付けに戻る。




Aは木の枝を掴むと

そのままひょいひょいと木を登っていく。




赤也の飛ばしたタオルを取ると

降りるべく体重を移動させたのだが。





──────バキッ





『えー……』





木の枝が悲鳴をあげ折れた。






「A!!」






幸村の焦った声に皆が顔を上げる。

そんな中、真っ先に飛び出したのは──────







「ナイスキャッチ、ぜよ。」


『仁王……』


「まーくんが良いのぅ。」


『…………ありがとう仁王雅治。』


「フルネームは嫌じゃ。」


『ふふ、ありがとうね。まーくん?』


「どういたしましてぜよ。」





こころなしか嬉しそうな仁王であった。

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沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます!気まぐれ更新ですが頑張りますねー! (2020年3月9日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い!続き待ってます! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年6月13日 23時

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