第二十二話 ページ24
＿夜。
暖炉で燃える炎を見つめながら、日記を書くべく一日の出来事を振り返る。
あの後ゲームに参加したAは、何だかんだ手加減してくれたレオのおかげで無事脱出する事が出来た。
｢やっぱり優しい…｣
昼間の男とは大違いだと溜息を吐く。
＿力、強かったな…。
抱き寄せられた時の事を思い出し、腰にそっと触れる。
ハンターは皆大柄だ。
当然自分よりは大きいが、他に比べると彼は小柄な方だと思う。全体的に体の線が細く、指の先まで美しくしなやかなその姿はまるで良くできた彫刻のよう。
一体彼のどこにあんな力があるというのか。
｢書くことが…ない…｣
正しくは書けることがない、だ。
昼間の事を書くべきだろうか。否、もし何かの拍子に誰かに見られたら恥ずかしいでは済まない。
そもそも書くこと自体が恥ずかしい。
ゲームは特に変わったことも無かった。
2対2、引き分け。
解読も失敗していないし、捕まってもいない。
一人で机に向かっているからか中々進まない筆。
終には諦めて手を止めてしまった。
日記は毎日書かされるものの、ページの枚数だとか最低文字数だとかは決まっていないようで、中には一行日記で済ませている人も居ると聞いた。
＿もう寝よう。
寝てしまえば何もかも忘れられる。
明日もまたいつものように皆とお茶をして、ゲームをして、夜はエマと一緒に日記を書く。
そんな平凡な一日の繰り返しで良い。
今日が特別可笑しかったのだ。
暖炉の火を消し、布団に入る。
ぱちぱちと火が弾ける音は次第に小さくなり、部屋には静寂が訪れる。
『君は僕の…』
その先の言葉は呪いのようにAにまとわりつき、やけに生々しく再生される。
｢落ち着いてA、私は寝るのよ｣
自分自身にそう声をかけ、目を瞑る。
しかしそれでも尚繰り返される言葉に、瞼の裏に描かれる彼の姿。
雲が晴れ、真っ暗な部屋に月の光が差し込む。
あの浅葱色の目は、この月明かりの下ではもっと綺麗に輝くに違いない。
｢眠れない…｣
彼があんな事を言うから。
全て冗談だと分かっているのに、そういった事に免疫がないAは嫌でも意識してしまう。
｢勘弁してよ…｣
目を硬く瞑り、思考から逃げるように布団を頭まで被った＿。
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ゆう - おジョゼかっこいい！ (2021年3月21日 21時) (
レス) id: fdf829f708 (このIDを非表示/違反報告)
シマエナガ(プロフ) - 要さん» そうだったんですね...汗 素敵なお話なので是非残してください！ (2019年2月16日 22時) (レス) id: 56182cb6ed (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - シマエナガさん» ありがとうございます！そうなんです、書いた後にそれを知って泣 消すのも勿体なかったのでそのままでいかせて貰いました、、、！ (2019年2月16日 2時) (レス) id: 85394da7f9 (このIDを非表示/違反報告)
シマエナガ(プロフ) - いつも陰ながら応援しています...！ジョセフさんかっこよくて素敵です泣 これからも楽しみにしてます！ それと余談ですが、バレンタインに女性からチョコを渡すと言うのは日本だけらしいです...(でも可愛いお話で好きです...！) (2019年2月15日 23時) (レス) id: 56182cb6ed (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - ナ子さん» ありがとうございます〜！そう言って頂けると嬉しいです！頑張ります〜！ (2019年2月14日 7時) (レス) id: 85394da7f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：要 | 作成日時：2019年2月11日 4時
