フィルター越しのキラキラ (ページ5)

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「ここまで1人で来たの？」

本当に練習を終え、
構内を2人で歩いていると宮近さんが口を開く

「1人で来ました！なんでですか？」

「こんな夜に危ないよ、送る」

「いやいやいや、大丈夫です。
ここから5分なんで！ほんとに！」

ただでさえ練習を中断させてしまったのに
さっき初めて出会ってこれから先話すかも分からないのにわざわざ送ってもらうのは気が引ける

「いや、さすがに夜道で女の子1人残して
じゃあねって帰れるわけないでしょ」

感情の読めない目でじっと見られると断れない

「…こっち、です。すいません」

渋々答えると満足そうに宮近さんが前を向き直す

「こういう時はありがとう、ね？」

「ありがとうございます…」

「ん。それでよし。ね、さっきの写真見せて？」

首にかけていたカメラを外し宮近さんに渡と
緊張する重さだ、と笑いながらさっきの写真を見る

「うわ、めっちゃ綺麗。素敵な写真を撮るんだね」

ストレートなその言葉に
恥ずかしさと嬉しさで口が緩む

「この写真、欲しい。カメラから送れたりする？」

ポケットからスマホを取り出しひらひらとさせる

「あー…Wi-Fiなきゃできなくて。
どちらにしろ自分のスマホには取り込むから
家でならできるんですけど」

大学のフリーWi-Fiでいけないかな、と
試そうとすると何かを思い付いたかのように
宮近さんが私の顔を覗き込む

「なら、連絡先教えてよ。あとで送って」