フィルター越しのキラキラ (ページ24)

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「夢、眠い？」

「んーん。大丈夫…」

「眠いやん(笑)」

夕方にサプライズで突撃してから

＂全然料理しないから何もないよ＂という
海斗さんの言葉で色んな食べ物をデリバリーした
宅飲み誕生日パーティーも終盤に差し掛かり

うとうととした夢乃に中村先輩が寄り添う

やっぱり直視できないことの方が多いけど、
ちょっとずつ気持ちの整理ができている気がする

今だって、2人が纏う雰囲気を
微笑ましく見ている自分がいるのも事実だ

薄情かもしれないが、そうなったきっかけとなる人がいる方へと視線を向ける

「海斗さん？酔い覚めました？」

「Aちゃん。夜風きもちいよ」

ベランダの柵に肘をかけた海斗さんの隣に並ぶ

一人暮らしが住む部屋のベランダなだけあり

2人の間にある距離はほぼゼロに等しい

「Aちゃん」

すぐ隣で名前を呼ばれゆっくりと隣を見る

お酒のせいか分からないけれど

いつもよりほんの少し熱を帯びている気がする
大きな瞳に捉えられたまま身動きが取れない感覚に陥った