彼と救急箱 (ページ46)

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45 誰？ページ46

編集「あの、監督、この主演女優さんなんですけど、ポスターとか、映画のロールに入れなくちゃいけないんですけど、お名前なんですか？」

監督「ああ、その人、女優さんじゃないから、名前出さないし、顔写真もダメだから。」

編集「じゃあ、主演の太字は。」

監督「臣だけにしてて. . . . . . あと、医事監修から、詮索されるといけないから、医事監修は、真木大輔先生の名前でお願い。」

編集「わかりました。」

Alive～この愛のために～完成披露記者会見

司会「では、映画Alive～この愛のために～の完成披露記者会見を始めさせていただきます。まず、保父監督よりご挨拶申し上げます。」

監督「本日は、この映画のために、お集まりいただきありがとうございました。この映画は、もともと、もっとコメディタッチのラブストーリーのはずでした。しかし、ご協力いただいた病院でそこで働く方々に触れ、その方々の思いや現実を多くの人に知らせたいという、登坂君のたっての希望がありましたので、大幅な路線変更によりこのような作品になりました。」

司会「続きまして、主演登坂広臣さん、お願いします。」

臣「教えてくださる先生がとても恐くて、ビシビシしごかれましたので、もしかしたら、医者になれるんじゃないかって勘違いしそうでした。みなさまに、感動していただける作品になっているとおもいます。」

司会「では、ご質問のあるかた、挙手にてお願いいたします。」

記者「あのー、１ついいでしょうか？」

監督「はい。」

記者「今日、主演の女優さんは、おみえではないんですか？」

監督「はあ、あの方は、ちょっと. . . . . . . 」

記者「広報関係にも写真や名前も載ってませんし、映画のエンドロールにも名前ありませんでしたよね。誰なんですか？新人さんですか？そこまで若くはないようなので劇団か何かでやられてた方ですか？」

監督「訳あって、申し上げられません。」

記者「では、登坂さんにお聞きします。ラストで、とてもステキなキスシーンでしたが、あの方とは、特別なご関係ですか？」

臣「いえ、特にそのような事はございません。」

記者「どうみても登坂さんとダブル主演級の方なのに名前を出さないのおかしいですよね。」

司会「では、このあたりで、完成披露記者会見を終了させていただきます。みなさま、ありがとうございました。」

記者「監督！監督！」

記者「登坂さん！. . . . 」