花香る場所で訪れるもの (ページ6)

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「Aさんは大学生なんですね」

「私の方が年下なので
もっと気軽に話してもらって大丈夫ですよ」

「じゃあ…Aちゃん
改めて呼ぶとなんか恥ずかしいね」

そう言ってまた、帽子から覗く目元が細くなった

「ミヤチカさんはお仕事されてるんですか？
それとも学生？平日の昼に珍しいですよね」

「あー…俺はね、その」

ちょうど通り過ぎようとしていた雑誌コーナーに入り
きょろきょろとミヤチカさんがし始める

何をしているんだろうと眺めていると有名な女性誌のバックナンバーが置いてあるコーナーで立ち止まった

「…これ、だったり？」

少しだけ恥ずかしそうに俯きながら指を刺す先には

おうちでのストレッチを特集している雑誌で
7人の男性がネイビーの服を纏って写っていた

マスクと帽子で確かではないけど

言われてみれば
真ん中にいる人も目元が似ているような

どちらにしろ、いま目の前にいる人が
誰かなのか告げられた事実に

開いた口が塞がらない、とは
こういうことをいうのだという状況に陥る