花香る場所で訪れるもの (ページ41)

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「回りくどくなっちゃったけど…うん。
俺、Aちゃんのこと初めて会った時から好き」

向かい合って私の手を取る宮近さんの手は

少しだけ緊張からか震えていて

あんなにステージとか舞台とか

大きな場所で人前に立つ宮近さんが

こんな車内で緊張していることに愛しさが込み上げた

「宮近さん。」

そっと手を離し、私の手で包み込む

「私も好きです、大好き、宮近さん」

「海斗、って呼んでほしい」

「…海斗が好き」

「もっかい」

「やだ、恥ずかしいです」

照れ隠しをするように

包み込んだ手を引き寄せ抱きつきながら

海斗の胸に顔を埋める