花香る場所で訪れるもの (ページ40)

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私の言葉に沈黙が訪れる

少しだけ目を泳がせた宮近さんを

じっと見つめると、何かを考えるような顔をした

「ここね、春には桜とかチューリップが
夏には向日葵も咲くんだって」

待っていた言葉とは違うことを言う宮近さんに

思わず拍子抜けした

「そう、なんですね」

明らかに不思議そうな顔をする私に

言いたいのはそれだけじゃなくて、と

宮近さんが困ったように笑った

「…全部、Aちゃんと見に行きたいな、なんて」

私を捉える宮近さんの目に少しだけ熱が帯びる

「宮近さん」

その視線に応えるように見つめ返し名前を呼ぶと

被っておいて、と言われていた帽子にそっと触れ

再び沈黙が訪れた