花香る場所で訪れるもの (ページ26)

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車を走らせている間、

宮近さんは運転に集中しているのか沈黙が続く

だけど、不思議と安心する静かさで

斜め後ろから運転する姿を盗み見る

ピアスが対向車線のランプと反射しキラキラしている

思わず触れたくなるような輝きと横顔に

盗み見ていたはずが凝視してしまっていた

「…そんなに見ないで、恥ずかしいから」

私の視線に気付いたのか、
堪え兼ねた様子で宮近さんが笑った

「すいません、つい…」

「見られるお仕事だからいいんだけど。
なんか運転してる姿って素だから恥ずかしいよね」

ウィンカーを出しながら宮近さんが呟く

私はもっと素の宮近さんが見たい

なんて言ったら困らせてしまうんだろうか

それを皮切りに、

今日何してたの？とか、
最近忙しくてカフェに行けてないとか

他愛もない話を続けているうちに
郊外へと進んでいることに気付く

どこに行くんだろう、と思ったところで車が止まった

「ついた」

ドアが開き車を降りると、公園の札が目に入る

「ここって…」

「いつも人多いんだけど今日は少ないね、良かった」

こっち、と少し早歩きの宮近さんについて行くと

芝生に入ったところで宮近さんが足を止めた