花香る場所で訪れるもの (ページ12)

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「お久しぶりです…っていっても2週間くらいか」

「久しぶり。また会えると思ってなかった」

「あはは、ほんとに。」

「ここでバイトしてたんだね」

きょろきょろと店内を眺めながら宮近さんが笑う

「今日は何をお探しですか？」

男性がお花を買うなんて

大抵理由は決まっているけれど

宮近さんの職業柄、
なんとなく知っちゃいけないことを知る気がして

少しだけ緊張感が勝手に走った

あとは、なぜか分からないけど

大切な女性にあげるのかな、って思ったら

ちょっとモヤモヤした気持ちを抱える

「あー…実は、その」

首の後ろに手を当てながら
恥ずかしそうに宮近さんが笑う

「兄ちゃんちに子どもが生まれて。
おうちに戻って落ち着いたみたいだから
何かあげようかなと思って…お花、どうかなって」

「お兄さんに、ですか」

勝手に予想してただけだけれど、
思わぬ答えに拍子抜けした声を出し咳払いをする

「ちょっとかっこつけてて恥ずかしいんだけど
でもなにあげればいいか分からなくて」

「分かりました、素敵なプレゼントにしましょう！
お任せください！」

ニコニコと笑い宮近さんの顔を覗き込むと

「よろしくお願いします、店員さん」

しっかりと目を合わせて宮近さんが微笑んだ