35.愛する人 ページ37
ここだよ、とフジさんが立ち止まったのはガラス張りの大きなお店。
『これって…』
フジ「Aちゃんに、プレゼントしたい」
『プ、プレゼント、ですか！？』
太陽の光に反射してお店の中からキラキラとした光が目に入る。
そこは、よくテレビCMでも見る、有名なブランドが揃うジュエリーショップだった。
ついてきて、と進むフジさんに慌てて歩き出すが、どう考えても高価なものしかないはず。
フジ「Aちゃんにはどれが似合うかな？」
『フジさん…』
フジ「全部似合いそうだから決めるの大変だね」
くすっ、と笑いながらショーケースの中の指輪やネックレスを見つめる彼。
『私、大丈夫…ですよ、？』
フジ「なにが？」
『欲しいもの、ないです、から』
フジ「俺があげたいだけ」
固まる私から目線をはずし、またジュエリーへと戻す。
フジ「これ、綺麗だね！」
『わぁ……すごく、綺麗、です！』
フジ「ちょっと見せてもらおうか」
近くの店員さんを呼び寄せ、ショーケースから出してもらうように頼んだ。
手袋をはめた店員さんは、ゆっくりと私たちの前にそれを差し出す。
店員「こちらは、天然のパールを使用しております。シンプルなデザインなので合わせやすいですよ？」
小さく白色の輝きをもつネックレス。
普段はそんなもの着けないし、持ってすらない。
『綺麗…』
フジ「……これ、ください」
『えぇ！？』
店員「ありがとうございます」
鞄から財布を取り出すフジさんは、躊躇うことなく会計へと進む。
フジ「パールにはね、純潔とか健康っていう宝石言葉があるんだよ〜」
『え、あ、えっ、』
フジさんには悪いけど宝石言葉とか、今はそんなのどうでもよくて。
それに、と呟いた彼はぐっと顔を私の耳元に寄せて
フジ「愛する人の波動が入ってるんだって」
………え？
フジさんの言葉も行動も全てが私の意識を遠ざける。
いや、待って？待って待って待って？
それより今は…！
ショーケースの中に置いてある札の値段を見れば、そこには自分の月の給料の何倍もの値段が書いてあって。
『フジさん、だめです、やめてください…！』
フジ「欲しくないの？」
『…欲しくない、わけ…ないですけどっ…！』
フジ「じゃあいいじゃん？」
何度もフジさんを止めようと思っても、説得しようとしても、最後には必ず彼が勝つ。
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もも(プロフ) - もちもちもちこさん» お待たせしてしまい申し訳ありませんでした！やっと続編出します！ (2018年2月24日 19時) (
レス) id: 6a5ecf0a40 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ちーちゃんさん» 遅くなってしまってごめんなさい！！やっと続編に行きます(;_;) (2018年2月24日 19時) (レス) id: 6a5ecf0a40 (このIDを非表示/違反報告)
もちもちもちこ - 続編ないんですか？続きがとても楽しみです！ (2017年10月31日 16時) (レス) id: 3032de0fc2 (このIDを非表示/違反報告)
ちーちゃん - ももさん}いやいや私のこの頭が理解力が低いもんで。すいません。(._.)怒っときます。(._.)ゞﾍﾟｼ ﾒ! はいすいません。なかなか見る暇がなくて久しぶりに来たらいいとこまでいってるじゃないですかぁ~！引き続き頑張って下さいね！応援してます！( *´艸｀) (2017年9月22日 22時) (レス) id: b018cf85ec (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - reiponnさん» とうとうキスしてしまいました…長かったですここまでくるのに…(笑) 恋の力って凄いんですね〜(人事) (2017年8月30日 12時) (レス) id: 6a5ecf0a40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも | 作成日時：2017年7月2日 8時
