夢の中の君は。 (ページ8)

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＂夢？＂

＂はい。毎日ではないけど、しょっちゅう
同じ夢を見るんです、昔から。＂

＂へー、どんな？めちゃ怖いとか？＂

あの日をきっかけに
私と海人さんは2人でも会うようになった

もう海人さんと
こうやってご飯を食べるのも何回目だろうか

会う、と言っても店は決まってあの日4人で飲んだ
海人さんの友達がやっている個室の居酒屋だし、

店の出入りは基本別々だし、色々と制約が多いけれど

＂ううん。昔の思い出…みたいな？＂

＂漫画やん！夢の内容は聞いてもいいやつ？＂

一緒に話している間は、仲のいいひとつ上の先輩が
できたみたいで楽しかったから何も気になることはなかった

＂ほんとに断片的に
いろんな場面が出てくるんですけど、＂

15年前の出来事が映し出される夢の話を
海人さんは黙って聞いてくれた

＂…っていう夢で、
その時のカイトくんの顔が思い出せなくて。
だけど、初めて会った時ちょっとだけびっくりしちゃいました。ひとつ上で、カイト！？って＂

＂…へえ。なるほどね＂

思ったより薄い反応に少しだけ口を尖らせる

＂…他人の夢の話なんてつまんないですよね＂

＂あーいや。俺ともう少し話してもいいかもって思ったのはやっぱ俺がカイトだから？＂

＂それが100％と言われれば嘘ですけど、
多少は親近感みたいなものはありました
…すみません、めっちゃ失礼なこと言ってます＂

頭を下げると、＂気にする必要なし！＂と
頭を撫でられる

やっぱりあの時とは違う手の感触に
この人は違うのか、なんて思ってしまう私は
本当に最低だ