夢の中の君は。 (ページ21)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:190,750 hit

21 ページ21

・

中村side

「なんで向日葵がいいの？」

「えっ、なんで？うーん…なんとなく？」

「なんとなく…ふーん」

＂聞いた割に反応薄すぎんか！？＂と叫ぶ
クラの声を感じながら、さすがに考えすぎかと
テーブルの花たちに視線を戻すと

テーブルのそばでどの花かはわからないけれど
ジッと見つめる海斗が視界に入った

「海斗？どしたの、花とか好きだっけ？」

触れようとする海斗に声をかけると
海斗の手がピタッと止まり、勢いよく顔をあげる

「…いや、別に。本物なんかな～的な？(笑)」

「どう見ても本物だろ(笑)」

「だね、メンバーカラーの花持つらしいよ」

海斗の言葉に、ケイ残念～と元太がからかう

スタッフさんの案内でそれぞれ花を持ち、
撮影の場所へと移動する

「そういやメンバーカラーの花といえばさあ
昨日、彼女が緑色の向日葵買ってきた」

昨日の出来事を思い出しながら話すと、
隣にいたしめが口を開く

「向日葵なのになんで緑？」

「元々、向日葵が好きでそれで俺のメンバーカラーが緑だからって、可愛いっしょ」

「うーわ！撮影前に惚気は萎えるわ！
俺も青い薔薇とか買ってきて欲しい！！」

「元太、耳元で叫ぶな！」

ぎゃーぎゃーと言い合う松松に笑っていると
海斗がカーネーションをクルクル回しながら振り返る

「彼女さん、向日葵好きなんだ」

「うん。
地元にそういう場所があったらしい～」

海斗が何か言おうとしたその時、

カメラのセットが完了したと声をかけられ
撮影が始まる

撮影が終わる頃には、
最初の話題なんて既に忘れてしまっていた