夢の中の君は。 (ページ19)

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「ただいま～…え、海人！？」

「おかえり～そんな驚く？ここ俺んち」

へらりと笑いながらゲームをしている海人が
リビングからひょっこりと顔を出す

「お仕事早く終わったの？
こんな夕方にいるの珍しいじゃん」

「早く終わったの～」

「おつかれさま、ね、見て！これ！」

たった今買ってきた花束を見せると、
目をぱちくりとさせ海人がじっと見つめる

「え、これ向日葵？」

「そう！海人の緑！珍しくない？」

「俺あんま花とか詳しくないけど、すげー」

花瓶に水を入れ、茎を斜めに切ったあと花瓶に刺す

「前にさ、海人がカイトで最初に出会ってよかった
って言ってたでしょ？」

「ん？あー言ったかも」

ゲームの画面を見たまま海人が答える

「名前がカイトだからじゃなくて、海人だから
こんなに大好きなんだよって伝えたくて。
だから、海人がちょっとでも嫌だなって思うことは
したくないし言いたくないなって思ったの」

「A…おいで」

ゲーム機を置き、海人が両手を広げる

腕の中に収まると
すぐに頭を抱えるように抱きしめられた

「十分、伝わったよ。ありがとう
俺、幸せすぎるね」

「私の方こそだよ」

「今日お風呂いっしょ入ろ」

「え～～？(笑)やだ」

「いや、入る」

「ちょっと！重いから！」

いわゆるお姫様抱っこをされ浴室へと連行される

浴室のドアが閉まると、

どうやら甘く暖かな時間の始まりらしい