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「電気消すよ〜おやすみ海人」
「ん〜おやすみ〜」
間接照明を消し、布団の中に入ると
ぎゅっと腰に腕が巻きついてくる
「本当に今日よかった。ごめんね」
「いつまで謝るの!今こうやっているんだから」
「今日はくっついて寝る」
「ふふ、首元で話されるのくすぐったいよ」
半分眠いのか、
ボソボソと話すから首筋に息がかかってくすぐったい
「えいっ」
そう言った直後、耳の後ろにちくりとした痛みが走る
「…中村さんやりましたね?」
「中村さんって呼ぶな!(笑)」
「もう〜明日朝からバイトなのに!」
「大丈夫、髪の毛かけたら見えないとこ
…俺の、って言葉ではなかなか言えないからさ」
誰に対してかは分からないけれど、
少し寂しそうにそう言いながら
つけたばかりの赤い痕にそっと触れた
「急にどうしたの、私はここにいるし、
ずっと海人と一緒にいる、そうでしょ?」
後ろから抱きついていた腕をほどき正面に向かい合う
「不安にさせてることがあったら言って?
…バイトはその、ちゃんと学生として生活は
最後までやり切りたいからやめたくないけど
夜までシフト入らないようにとか工夫はできるし」
両手を海人の小さい顔に添えると
しゅんとした様子で眉を下げる
「無理はさせたくない、けど
今日みたいな危険な目にも遭わせたくない」
「私も明日、店長にシフトの相談してくる
…もう寝よ?明日は夕飯作るね」
「ありがと、おやすみ」
「おやすみなさい」
ちゅっ、と音を立てて短いキスをし
布団の中で手を繋いだまま眠りについた
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作者名:ぷらむ | 作成日時:2021年2月20日 22時