夢の中の君は。【3】 (ページ7)

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「誰か明日の14:00、手空いてる人いたりする？」

仕事をしているとチーフが突然立ち上がり声をかける

明日の14:00、とスケジュールを確認すると、
特にクライアントとの打ち合わせなども入っていなかったので手をあげる

「はい、空いてます！」

「マジ？助かる～
14:30から急遽打ち合わせ入ったから
今から指定する会議室の清掃と準備お願いしたくて。
本来だったら俺がしなきゃなんだけど急だから
その前まで別の打ち合わせがあるんだよね」

ごめん！と手を合わせるチーフに
焼肉かな～と言うと、周りも笑い出す

「冗談です、準備する資料とかあらかじめ
預かってても大丈夫ですか？」

「いや、普通に何か奢るわ！
CM撮影の打ち合わせで準備する枚数とかは
貼ってある付箋の通りね、終わり次第会議室からは
離れてもらった大丈夫だから」

これね、と渡された資料に軽く目を通し
思わず目を見開く

「TravisJapan…」

ぽつりとつぶやくとチーフが反応した

「あれ、知ってるの？ファンとか？」

「あ、いや…友達がファン…みたいな」

「そうなんだ、Aも同席する？」

チーフの言葉にぶんぶんと首を振ると
そこまで？とチーフに笑われ苦笑いを浮かべた

この建物に来るんだ

仕事上、割とあの世界の人たちは来ることもあるけど

まさか来る日が来るなんて。

元太くんは昨日ああ言ったくれたけど

やっぱり、会う資格なんてないとしか思えなくて

そもそもどんな顔をすればいいのか

なんて伝えればいいのか分からない

だから絶対に明日会わないようにしなきゃ、と

受け取った資料に書いてある
出演者の文字をじっと見つめた