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「そういうことか。だからあんなに動揺してたんだ
…ちゃかとAちゃんに何があったかは分からないし、多分海人も知らない。
けど、2人はいつも通りだからそこは安心して」


烏滸がましいけれど、もしかして自分のせいで…と、

心のどこかで思っていたから元太くんの言葉に

ホッと胸を撫で下ろす


「だからこそ、」


真面目な声のトーンに

思わず元太くんの方へと視線を移す


「…だからこそ、ちゃんと向き合ってほしい
Aちゃんの気持ちはそれでいいの?
海人の優しさはどうなるの?」

「それは…わかってるよ。
海人の優しさを踏みにじってるって。
でも宮近さんにはこれで最後だからって言われたの。
だから私に会う気はないし、私も会う資格ない」


皺になりそうなくらいスカートを握りしめ俯く


「俺がどうこう言うことじゃないけど
…ちゃか、1人になった時すごく悲しそうなんだ
それに海人の優しさも分かってあげてほしい、
海人の気持ちが報われないよ」


あまりにもまっすぐな言葉に胸が痛くなるけれど

せめてこの痛みだけは向き合わなきゃと強く頷く


「…元太くんごめんね。
でももう連絡取る術もないから…じゃあね」

「あ、ちょ、Aちゃん!!」


逃げるように個室を出て出口へと急ぐ


ヒールのまま駅へと走り、後ろを振り返った

立場上、分かってるけど
元太くんは追いかけてくることもなく

分かっていたからこそ少しだけ罪悪感。


定期をバッグから取り出した時に
名刺入れを落としていることに気付いた


走っている時に落としたかな

店だとしたら…取りに行くのは億劫だ


「あー…もう、」


明日、再印刷しよう


走ったからか、別の理由か

必要以上に疲れた身体を引きずり家に帰る


そのままベッドに沈み身体を預けた


止まっていたはずの時間が


このまま止まったままでいたかったはずの時間が


少しずつ動き出した


そんな気がした

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設定タグ:TravisJapan , 中村海人 , 宮近海斗   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ぷらむ | 作成日時:2021年3月7日 21時

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