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あの時、
結局海人も宮近さんも傷つけてしまった
その負い目で
海人から送られてきた荷物を受け取ったあと
2人の連絡先を消した
もう関わる資格はないと
私に幸せを選ぶ権利はないと
心を空っぽにして毎日を過ごしている
「Aさん!おはよ」
「ナナさん!おはようございます!」
オフィスに入り入社証をかざそうとしたところで
同じ場所の先輩のナナさんに声をかけられる
「…ね、今日クライアント先の営業部の人たちと
ご飯行かない?合コン…とまではいかないんだけど」
「あー…私は遠慮します、すみません」
私が働いている広告代理店は
どうやら合コンには人気の仕事らしく、
この一年、何度か声をかけてもらったけれど
そういう気にはなれなくてそれとなく断っていた
「だよね〜…でもずっと浮かない様子だし
気晴らしにどう?誰かに絡まれそうだったら私が
フォローするから…だめ?」
ちらりと覗き込むナナさんに
思わず笑ってしまいながら頷く
「…分かりました、お気遣いありがとうございます。
一軒だけ、お邪魔しようかな?」
「ほんと!やったあ〜私も心強い」
ニコニコと笑いながらそれぞれのデスクについた
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作者名:ぷらむ | 作成日時:2021年3月7日 21時