今と未来、僕と君 11 (ページ12)

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いつもなら尾崎さんもうちょっと静かに入ってきてくれませんかと言いそうなA

今は正直それどころではなかった

A｢(い、今…良太郎が…夢、夢じゃないよね？現実？本当に良太郎？)｣

突然のことに軽くパニックになっていた

全然今までそんなことしてこなかった良太郎が

あんなことをしてきたのだ

そりゃAがパニックになるのも当たり前

ちらっと横にいる良太郎を見るが

特に恥ずかしがってる様子もない

それがさらにAの顔の温度を上げまくった

A｢(み、見られてない見られてないなにをそんなに気にしてるの)｣

A｢(こんなのウラタロスが入った時より……)｣

赤面しながら思い出した少し前の出来事

クレープを奢ってもらって食べていた時のこと

あの時のアレは、ウラタロスの仕業じゃない

何となく勘でそんな気がしていたが

聞き出す勇気がなくそっと隠しておいたはずなのに

今更になって気になり始めて─

A｢まさか…まさかそんなことがあるわけ｣

良太郎｢尾崎さんどこか行くんですか？｣

Aから離れた良太郎は

何事も無かったかのように尾崎に話しかけた

でも髪に隠れた耳は確実に真っ赤で

顔や口には出なくても耳には出た

普通に接しているように見えるが彼もまた

内心なんてことをしてたんだとパニックになっている

尾崎｢何言ってんのー！ここに泊まるに決まってんじゃなーい！！｣

A｢(スルー？てことは尾崎さん見てないってことだよね、そうだよね、よかったぁ…)｣

尾崎は雰囲気をぶち壊した自覚なし

今回ばかりは尾崎が来てくれて本当によかった

もしあの時尾崎が来てなかったら

Aは自分が何をしようとしていたのかはっきり分かっていた

尾崎｢愛理さんのボディーガードとして！｣

尾崎｢あれ、愛理さん？愛理さんは？｣

テンションがいつにも増して高い尾崎は

やっと店内に

良太郎とAと自分以外いないことに気がついた

キョロキョロと見回すがどこにもいない

三浦｢全く、修学旅行か何かと勘違いしているようだ｣

するとどこからか三浦が現れた

尾崎｢三浦くん｣

A｢うわ…これまたすごい｣

その格好を見て尾崎は

尾崎｢アッハッハッハッハッ！！泥棒までオカルト？｣

大爆笑