過保護の極み (紫)

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わたしに対する観察眼が人並外れてあるおにいに、

” あとで相談しよう ” 的な考えが通用するわけなく

すぐに見破られてもうた。






崇裕「 やりたい事な〜〜。
ええんちゃう？別になくても。 」


「 え？ 」


崇裕「 今時の高校生がどんなこと思ってるとか、あんま知らんけどさ、
みんながみんな、やりたい事あって、夢あって大学行くわけじゃないと思うねん。 」


「 、、、」


崇裕「 少しでも良い大学入って、就職に役立てて、って人もおるやろし。
良い大学行ったからって、就職に恵まれるわけではないとも思うけど。 」







おにいの言葉が、今までにないぐらいスッと入ってきて

なんかすごいムズムズする。





崇裕「 大切な人生のターニングポイントになるけど、
無理にやりたいこと見つけて大学行かんでもええんちゃう？
もしかしたら、大学行った先でやりたい事見つかって行くかもしらんやん。 」


「 難しく考えすぎてたんかな、 」


崇裕「 そやで〜。もし、大学入ってからやりたいこと見つかって別の道行きたいってなったら、
別の道に行けばええねん。
そん時は兄ちゃんもいろんな形で支えたるから安心し。 」






心の中に出来てたモヤモヤが

すっと解けてった。







崇裕「 えっ、ちょっ、A？ 」






気がつけば涙が流れてた。




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