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翔side
和の血液から検出された抗体が
ある病気とマッチした…
論文を少し読んだことがあっただけだったけど
ある意味有名なその症例が
和の所見と一致する…
『おはよう…和』
和『………』
目を覚ました和は
俺を見上げて
涙を流した
口がゆっくり開いて
和『…しょう、、、ちゃん…』
っ！！
喋れたっ、、
『かず？声出るのね？』
和『ん、、はな…せる…』
さっきはほとんど喋れてたなかったって聞いてたし
もしあの疾患だったら、、って可能性もあったから
だいぶゆっくりした話し方だったけど
嬉しくて
『よかった、、、』
思わず肩をなでおろした…
もし言語障害が酷いと
また大変だから…
軽く診察をして
心臓の音を聞いたりしていたら
智くんが病室に来てくれたから
少し状態を確認したくて
和に先ずは聞いてみた
『和…変だな、って思うこと全部おしえて？』
本人が1番分かってるはずだから…ね、、
和『…起きたら…、、足、、が…動かなく…て…、、体が…へん、、』
やっぱり…
『少し動かしてもいい？』
和がコクンって頷いたのを確認して
布団をめくった
『和がどのくらい動かせるのか診たいだけだからね、、』
怖くないよ、って伝えて
智『まずは腕からにしよっか、、』
智くんが左手、俺が右手を握る
『力入れてごらん？』
和に合図した
智『うん、、こっちは軽く力入れられるみたい』
『右はほとんどダメだね、、』
利き手の左はまだ少し力が入るみたいだったけど
右はダメだったし
足なんて、膝を立てておくのをキープするのも難しかった…
『あのね、、和…』
まずは、まだ仮説の話ではあるけど
和に今の状況を踏まえた話をしなきゃいけない…。
『和の体の中に、ウイルスが入ってそれが神経を刺激してるかもしれない…
まだ検査をしないとわからないけど、しばらく和の体は動かないと思う…』
話をしてる間も
和は目にいっぱい涙を溜めてて…
『でもね、大丈夫。ちゃんと1ヶ月もすれば治るから…』
これ以上不安にさせたくなくて
ティッシュで涙を拭きながら
なるべく
大丈夫、って声をかけた
和に言ってるけど、本当は自分に言い聞かせてるのと一緒で
俺だって
大丈夫、って言い聞かせないと
涙がこぼれそうだった…
和ばっかり…って…
また和は苦しまなきゃいけないのか…って、、、
悔しかった
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作者名：ren
| 作成日時：2018年1月6日 13時
