五感を失った幹部達。【WT】【白尾】

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A視点

シャークん様の部屋に来た。
緑色の扉をノックすると、おん、と短い返事が来た。

扉を開けると書斎に座ったシャークん様がこちらを見ていた。
さっきの二人ほど目立っておかしなところはなかった。


『シャークん様、ご自身のお体に異変などはありますか？』



「感覚がなくなった。ものを持ってもどう力を加えていいかわかんねぇ。」



即答だった。
力加減が出来なくなるからものを持つなんて至難の技になってくるし、痛覚なども失われるわけだからWT国最強のシャークん様でも、戦場に出たらいつも以上に死の確率もあがる。

そうなるとやはり何もできなくなる。
静かに、そうですか...と返事をした。



「武器庫とかの整備もできるだけやってみたけど、力加減ミスってペン折るし、一個武器壊しかけたから流石にやめた。訓練も今の状態でできるわけないからやれてない。」



戦いてぇ...と肩をさするシャークん様。
戦闘を本業でやっていたのに急にできないとなるときっと辛いだろう。


話すことも尽き、ワゴンから食事を机の上に置く。
けど今のシャークん様が食器とかもったら確実に壊れる。


『シャークん様、あとで色付きメイドを呼びますので食べるのは少し待っててくださいね。』



「りょ、ありがとう。」



そっとお辞儀をし、部屋から出た。
お手伝いメイドの使命はシャークん様のことが大好きなあの子にでもお願いしようかな。
シャークん様も気に入っているし。
緑色のリボンを付けたあの子を呼ぶためにメイド棟に一度足を運んだ。

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