No mouth to the dead～そして誰もいなくなる？ (ページ19)

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＿episode16 ページ19

＿side.御影白麗

黒いピースを探せ。

＿＿＿そんなミッションが出たのは今から何時間前だったか。

闇の中にずっといて目も慣れてきたと思うのだが、やはり完全な闇に対して若干の恐怖を覚える。

「あの、御影さん。えっと、そこの建物で、懐中電灯、を見つけた、んです、けど……」

物陰から人影が出てきて、少しビクッとするが、声の主を確認して安堵する。

暖色系の光に照らされ、銀色の髪を揺らす少女。
彼女は月街瑠無さん。ここにきて知り合った人だ。

白麗「ありがとうございます、月街さん」

微笑を浮かべて返事をすると月街さんはどこかほっとしたような表情をした。

こんなデスゲームの中でチームを組むことが本当に正しい選択なのかわからない。
けれど、今はただ、誰かと一緒にいたい、安心したい、という気持ちでいっぱいなのだ。

白麗「これで探しやすくなりますね。暗くて全然わからなかったんです」

瑠無「そう、ですね」

辺りを照らすと、先ほど月街さんが出てきた建物以外に何もなく、まさに荒野というべき風景が広がっていた。

瑠無「ほんとに、何もない……」

白麗「はい」

さっきまで私たちがいた場所は鬱蒼とした森だったのだが、少し歩いただけでこんな光景に出た。

どこかちぐはぐに思えて気味が悪いと思いつつ、また地面をなめるようにして探す。

と、言っても実は私は足が悪く、杖をついているためあまり速くは進めない。
月街さんは私に気を使って一緒に歩いているようで、ゆっくり歩いてくれている。
それがどうにも申し訳なくて「すみません」というと、大丈夫です、と返事が返ってきた。

いつもこの足のせいで迷惑をかけてきた。
両親や周りの人、そして今は月街さんに。
みんなは、大丈夫、気にしなくていい、などと言ってくれるが、その優しさが余計に苦しくて、苦しくて、苦しくて。
だからこのゲームに勝って、お金をもらう。
そうしたら、きっと、お父さんとお母さんも楽になるはずだから。

そう決意して、私は強くこぶしを握った。

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