検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:696 hit

2話 ページ2

ずっと腰が痛かった。

 
市販の痛み止めを飲んでたけど、治らなくて。


 
その痛み止めの副作用だと思ってたけど、

 

恥ずかしながら便秘で。

 


身体もだるくなってきたし、心配だったから母親と病院に行った。

 

そしたらいろんな検査をされて、

 

わかったのは、


 


「癌です」

 


「…既に全身に転移していて、おそらく、余命は数ヶ月程だと考えます。もうこの状態になってしまっていれば、積極的な治療はおすすめしません。痛みのコントロールを行なっていく緩和療法で…」



「そんな…!!!」



先生の悲しそうな声と、私の母親の悲痛な叫び声がどこか遠くで他人事のように聞こえていた。
 


まるで実感がなくて、ただの腰痛と便秘じゃん。
って思ってた。


 

私の口からは、


 
「そう、ですか」

 

という小さくてカラカラの言葉だけが、やっと出た。

3話→←1話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:HQ! , 赤葦京治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年7月14日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。