Zoe (ページ1)

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1 - はじまりのあの日ページ1

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いい話か、わるい話か、行くまで分からないというその部屋に呼ばれたわたし。

新しい女の子のグループに選ばれなかったわたしが、そこに呼ばれた。年齢もまだ大丈夫だと思っていたし、ここにきて2年も経ってないから、まだまだこれから、もっと練習を頑張ろうなんて思っていたのに。

わるい話なんじゃないのかな。たぶん、歌やダンスを教えてくれる先生たちもそう思ったんだと思う。明日ここに、ってスーツを着た、きっと偉いんだろうなって人から言われたとき、心臓がひやっとした。

でも、そのお部屋に行って聞いた話は、わたしと、いっしょに練習してたみんなが思ってたのとは違った。

活動するグループ、メンバー、その数の制限がないグローバルグループ。デビュー候補に上がってる名前は、練習生のなかでも一際目立っていたり有名だったりした男の人たち。そこに君を入れたいという、先生の言葉。

「もう君の名前も考えているんだよ」

そんなこと言われたら、文句なんて言えない。両親にわがままを言って半ば勝手にここに来たわたしに、すべてを与えてくれたのはこの人だった。

親も、お友達も、ぜんぶを置いてきたわたしが、手ぶらで韓国から帰るわけにはいかない。どうにかしてでもデビューしなきゃと思っていたわたしは、デビューするメンバーの皆さんが良ければと謙虚に答えた。

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