Zoe (ページ31)

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「ただいま〜… みんないるの？」

DY「おかえり。大変だったね、手洗っておいで」

「ありがとう。オッパもお疲れ様」

リビングに入るや否や、10階のオッパたちもリビングに集まっていて。みんなでソファーに座ってテレビを見たりスマホを見たりしていた視線がわたしに向いて、なんだか気まずくて逃げるように手を洗いに行った。

HC「マジでムカつく。なにAの脚にブランケットなんて掛けちゃってんの」

YT「絶対変な目で見たよな今。絶対見たよな」

TY「そういうこと言うユタとヘチャンも同罪だから！」

DY「そう。Aでそういう話しないで」

「なに見てるのこんなおっきいテレビで…」

手を洗ってリビングにもどると、大きいテレビに映ってるのは自分と、今日も一緒にお仕事をした相手のアイドルさん。

JH「A、こっちおいで」

「わたし、今日すこし香水試してきちゃって、少し臭いかもしれなくて」

JH「いいからおいで」

綺麗な顔がすこし圧のあるオッパの隣に座る。香水が臭いかもなんて理由は華麗にスルーされて、ソファに座るジェヒョンオッパとドヨンオッパの間。

JH「A、」

名前を呼ばれてオッパの方を向くと近づく顔。鼻と鼻がぶつかりそうな距離に思わず目を瞑る。近い、近すぎる。

頬を撫でられて、恐る恐る目を開けると薄く笑うオッパがいた。

「オッパ、怒って、ますか？」

JH「ん？」

HC「ねえジェヒョニヒョンも近いから。離れて」

「わ、」

目が笑ってないオッパにそう聞くと聞き返される。ソファの下でクッションを抱いてたヘチャンくんが急に立ち上がってわたしの腕を引っ張るから、わたしも突然立ち上がる。

HC「なんであんなに男とイチャイチャしてんの。なんで耳元でこそこそ話したり写真撮ったりしてんの」

「お、お仕事だし」

YT「香水試してきたのもあの男とやろ〜？」

「…一緒探してって言われたから」

JH「ムカつくな」

なんでわたし、怒られてるんだろうって思うけど、今そんなこといったら危険だっていうのはいくらわたしでも分かる。ヘチャンくんは本当に怒ってる、というか拗ねてるし、悠太くんはわざとみんなの前で言うし、ジェヒョンオッパの呟く声は冷たいし。

テヨンオッパなんてなにも話さないし、こんなになるなら撮影の後に香水見に行くのも断ればよかった。沈黙の間に香る自分の、慣れない香水の匂いにそんな後悔ばっかり。