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「Aー、!ご飯行くよ!!」


お昼休憩に入って、廊下からやけにうるさい足音がしたかと思えば、うちのクラスの扉が“スパーン!!“と綺麗に音を立てて開いた。

教室内にいた全員の視線が開いた扉の方へ向いたのを感じて、私はあえて開いた扉とは逆の扉から廊下へ出た。


「うるさいよたこちゃん。」

「はは、ごめんごめ〜ん」


多分あまり心のこもっていない謝罪の言葉を受け取って、購買部のある方へと足を進めると同時に、“ぐ〜“と、何とも情けない音が廊下に響いた。

音の発信源であろう方向に顔を向けると、首元から耳までを真っ赤に染めたたこちゃんがその場で俯いていた。


「たこちゃんも羞恥心とか感じることあるんだ。」

「……Aはウチの事なんだと思ってんのぉ?」

「…………、、予測不能な生物?」

「おぉっと、まさかの回答。」


ウチはAの中で人間様にもなれていないのか〜!!と、大袈裟にリアクションしては肩を組んできたたこちゃんを引きずるようにして、私はそのまま購買部へ向かった。



… … …



購買でお互いそれぞれの好きなものを買って、たこちゃんが校内を散歩している時に“たまたま”見つけたと言う、ちょうどこの時間帯は日影になっている体育館裏の花壇に腰掛けて、二人して並んで買ったものを食べる。

全日授業が始まってからは、だいたいいつもこうしてお昼休憩を過ごしている。

こんな、人気がなくて少しジメジメしている体育館裏をわざわざ選んでいるのは、人前でご飯を食べるのがあまり好きではない私への、たこちゃんなりの気遣いなんだろう。

この子は、意外と周りを見ているから。


「ん〜っ!!うまぁ!!」

「うるさ…、ていうか、何でそんなにお腹減ってたのさ」

「んと、朝ごはん食べ損ねたんだよねぇ。」


時間間に合わなくてさぁ。と付け足してはえへへ、と少し恥ずかしそうに笑うたこちゃんのおでこに一回デコピンして、さっき買ったあんぱんを齧る。

そういえば、勧誘断りきれなくて部活掛け持ちすることになったー。とか言ってたな、ただでさえ朝練もあるだろうに、よりにもよって放送部とかいう面倒なのに捕まってしまったらしい可哀想な友人に若干同情していると、

花壇の奥から“みゃー”と、か細い声が聞こえた。

3→←1-1. おともだち



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モノクロ(プロフ) - えむおーいーさん» 初めまして〜、ありがとうございます!よろしければ二人の行く末を見届けてあげてください〜! (3月25日 17時) (レス) id: 28a2493194 (このIDを非表示/違反報告)
えむおーいー(プロフ) - はじめまして!コメント失礼します〜!読みやすくてとても面白いです!!これからも応援してます〜!!🥰 (3月25日 17時) (レス) id: d028db39a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モノクロ | 作成日時:2024年3月19日 21時

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