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1-1. おともだち ページ5





始業式からかれこれ二週間弱。

無事美術部にも入部できたし、気軽に友達と呼べる人間が未だにたこちゃん以外に出来ていない事を除けば、私的にはなかなか順調に高校生活を送れている。

そして、面倒臭いことに今週から日直制度が導入された。今日は私と、私の前の席の山口くんの番である。

まぁ、一人でやるわけじゃ無いから別にいいんだけれども。


「あ、Aさん。先生がこれ音楽室まで持って来いって。」

「ぅわ、だる…」

「はは…半分ずつ持っていこうか。」

「うむ…」


山口くんは、席が前後で絡むことがちょくちょくあるせいか、同じクラスの人間で唯一私と普通に話してくれる。人見知りの私でもどこか話しやすい、何だか全身から優しさが滲み出ているような人だ。

まぁ、最初のうちは怯えている。というか、はちゃめちゃに緊張している様子だったけど。

ていうか冷静に考えて前後ペアで日直ってなんか変じゃない??普通左右なのでは??


「おも……。」

「あ、俺もうちょっと貰おうか?」

「え、いや、でも悪いですし…、」


何回かに分ければ持って行けるので。そう断りを入れようとしたものの、口を開いたときには、山口くんは私が持っていた教科書の半分ほどを自分が持っていた教科書に重ねてしまっていた。

なるほど。こう言う男子がたこちゃんのよく言う“スパダリ”ってやつか。

一応中学の頃から部活でイーゼルとかキャンバス自分で運ばされてたから、重いもの運ぶのは慣れてるんだけどなぁ

とは思うものの何回も往復するのは流石に面倒臭いな。と結論付けては彼の優しさに甘えることにした。


「あれ、Aー!!隣のはまさか高校初友達⁈」

「うるさいたこちゃん、クラスの人だよ。一緒に日直なの」

「あ、山口忠です…?」


教室を出るとほぼ同時に運悪くたこちゃんに見つかってしまい、嫌な予感を感じる前に案の定絡まれた。

わざわざ手伝ってもらった挙句、面倒なやつの相手までさせてしまって本当に申し訳ない。


「山口くん…あぁ!月島くんと仲の良い!」

「月島くん??」

「あんた同じクラスでしょうが…」

「あ、あの…、??」


逆に何でたこちゃんは私のクラスの人まで覚えてんだ。

何となく思い出せそうで、なかなか思い出せずに頭を悩ませていると、困惑したような困ったような山口くんの声が頭上から聞こえた。


「あ、すみません山口くん、行きましょうか。じゃあたこちゃん、また後で」

「はいはーい。またお昼にねぇ」

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モノクロ(プロフ) - えむおーいーさん» 初めまして〜、ありがとうございます!よろしければ二人の行く末を見届けてあげてください〜! (3月25日 17時) (レス) id: 28a2493194 (このIDを非表示/違反報告)
えむおーいー(プロフ) - はじめまして!コメント失礼します〜!読みやすくてとても面白いです!!これからも応援してます〜!!🥰 (3月25日 17時) (レス) id: d028db39a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モノクロ | 作成日時:2024年3月19日 21時

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