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「え、……え??」
待って、何。これどう言う状況??
寝起きであまり回らない頭で必死にこの状況について考えてみるも、さっぱり訳がわからない。
なんでお昼休憩にこんなとこにいるの??え、??
3組の影山くん……、であってるよな??
たこちゃんが最近よく言っている、3組のイケメンくんと特徴の一致する隣に座り込んでいる男を横目で見てみると、
彼は私の膝上で、突然現れた大柄な男に警戒の色を見せる黒猫ちゃんに興味を示しているようだった。
「……あの、そいつ触ってもいい…ですか」
「え、あ…いや、それはこの子次第かと……」
私が肯定とも否定とも取れる。どっちつかずな返答を返すと、影山くんは眉を少し歪めて口を尖らせては、
恐る恐る…と言った様子で黒猫ちゃんに手を伸ばした。
“ヴニャッ…!”
『 あ。 』
黒猫ちゃんに触れるまで後数センチ…。と言ったところで、黒猫ちゃんはシャーッと威嚇するでもなく、
なんともいやそうな声を出して私の膝から飛び降りては逃げて行ってしまった。
「…えーっと、、」
…………うーむ、実に気まずい。
黒猫ちゃんがいなくなってしまった今、行き場をなくした手をそのままに固まっている影山くんと、どう動けば良いのか分からずにそのままの体制で動けないでいる私との二人きりの状況だ。
この人…、影山飛雄のことは、たこちゃんがよく話しているから、私は一方的に彼のことを認識している。
でも、多分影山くんは私のことを知らない。ていうか、話したことないし……
違うクラスである以前に、そもそもまともに登校していない特に目立つ訳でもない女のこと、知ってた方が怖いだろ。
「あ……じゃあ、わ、私はこれで…」
「まて。」
「はい」
なに、私なんかしたっけ??あ、寝てる間に何か粗相でも…、?
「あの猫…、いつもここにいんのか??」
「え、あぁ、はい。このくらいの時間なら…、大体います。」
「そうか。」
私の返事を聞くと、満足そうにしてその場を立って校舎の方へ歩いて行った影山くんを見送って、
彼の姿が見えなくなると同時に、私は大きくため息を吐いた。なんか、ドッと疲れた……
もう、今日は早退しようかなぁ…。
そうは思いながらも、今ごろ私を探しながら校内を走り回っているであろうたこちゃんを探すべく、変な体制で寝ていたせいか、そこらが痛む体を持ち上げた。
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モノクロ(プロフ) - えむおーいーさん» 初めまして〜、ありがとうございます!よろしければ二人の行く末を見届けてあげてください〜! (3月25日 17時) (レス) id: 28a2493194 (このIDを非表示/違反報告)
えむおーいー(プロフ) - はじめまして!コメント失礼します〜!読みやすくてとても面白いです!!これからも応援してます〜!!🥰 (3月25日 17時) (レス) id: d028db39a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モノクロ | 作成日時:2024年3月19日 21時