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買うもの買ったし帰るかぁ。マンションまで微妙に距離あるけど、タクシー乗るほどでもないよなぁ……こんなに買わなきゃよかった。おっも。
2リットルのお茶2本はさすがに調子乗った。腕痛い。
休み休み歩きながら、やっと見えてきた自分の住むマンションにホッと息をつく。あー、もうちょいだぁ。
「あの、」
「え?…………っ!?」
後ろからかけられた声に振り向こうとした瞬間、タオルみたいなもので顔を覆われてなにも見えなくなった。上から手で押さえつけられてるみたいで、うまく息もできない。
暴れてみてももう片方で体を拘束されて、腕も満足に動かせない状態。なにこれ?わたし殺される?
「っ、んっ!んんっ、!」
「暴れないで、」
「んんんっ!!」
ずるずる引きずられて、落とした買い物袋を蹴った感触がした。
どこ行くの、どうしよう、だれかたすけて、
「ゆにこちゃん、」
「っ、は、はぁっ……は、」
「ゆにこちゃん、すいません、俺、」
「……君、」
拘束が解かれて、視界が急に開ける。ぼやけた目に映ったのは、さっき声をかけてくれたリスナーの男の子だった。
「なに、なんで……」
「すいません、俺やっぱりあのままゆにこちゃんとサヨナラしたくなくて、あの俺、ほんとにゆにこちゃんが好きなんです、」
「う、うん、わかった、わかった、から」
「好きなんです、推しとかじゃなくて、俺ゆにこちゃんのこと女の人としてほんとに好きで、だから俺と付き合ってくれませんか…?」
……はっ????
……あ、ああ、ガチ恋、とか、そういうやつ?
「えっと……気持ちは、あの嬉しいんだけど、今はわたし活動のことで精一杯だから……ごめんね、付き合うとかそういうのは、今は考えてないんだ」
ごめんね。諭すようになるべく優しく声を出す。
目も口も塞がれて、路地裏みたいな細道に連れ込むような相手。いくらリスナーといえど油断できない。
刺激するようなこと言って、もしここで殺されそうにでもなったら、
「……ゆにこちゃん前言ってたじゃないですか」
「え?」
「リスナーでも恋愛対象になるんですよね?自分のこと好きって言われたら好きになっちゃうんですよね!?俺!!ゆにこちゃんが好きなんです!!めちゃくちゃ好きです!!誰よりも!!」
「う、うん、ありがとう。でも今は、」
「好きなんですっ…!!」
「やっ、!」
顔を両手で押さえつけられて、彼の顔が近づいてくる。
無理!無理!無理!!!!
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もも(プロフ) - ゆずさん» コメントありがとうございます!夜眠れてるようで安心しました…!(笑)手紙についていたものですが、作中で言及するのは…と思いしていませんでした。でもわかりにくかったですね;簡単に言えば、男性のアレです。○液です……気持ち悪いですよねごめんなさい;;; (2019年10月8日 10時) (レス) id: 4c734af3d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 結局手紙には何がついてたんですか??気になりすぎて夜しか眠れません (2019年10月7日 16時) (レス) id: a3af942d1f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 吹雪蘭丸2さん» 待ってくださいかわいすぎて笑いましたwすみません。紛らわしいわたしが悪いんですほんとごめんなさい!しばしお待ちを……! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 4c734af3d5 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 吹雪蘭丸2さん» ごめんなさい、前回のコメント気がつかなくて遅くなっちゃいました…!すみませんTTT絵描かれるんですね、すごいです……わたしも描けるようになりたい() リクエストの内容大丈夫でしたか?よかったですTTTありがとうございます好きです……またぜひ送ってください! (2019年6月25日 21時) (レス) id: 4c734af3d5 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪蘭丸2(プロフ) - 思いっきり間違えました。恥ずかしすぎる間違いをしました。ももさん、みつきさんすみませんでした。。うちがお題箱に書いたことと同じだったのでうちに返信したものだと思い込んでしまいました。恥ずい (2019年6月25日 21時) (レス) id: cab636fc5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2019年5月20日 9時