すとぷりの酒豪お姉さん

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夢のなかでやたらピンポン鳴らされて、うるさいなぁと思ったら現実だったことってない？

今それ。


「……来ないでって言った」

『だって心配なんだもん。とりあえず開けて』

「……マスク取っちゃだめだよ」

『うん！』


オートロックを解除して、玄関の鍵を開ける。

来ちゃだめだって言ったのに、わざわざ顔見に来てくれたらしい。風邪うつったらどうすんだ。

寝たから少し楽にはなったけど。


「あ！寝てなきゃだめじゃん！」

「寝られるわけないでしょーが」

「ごめん……」

「いや心配してくれたのは嬉しいしありがとうだよ？でもさぁ、風邪うつしちゃったら嫌じゃんか。ね？だからしゅんとしないで？」

「うん……」

「ごめんってばぁー！！」

「www」

「ねえもうからかわないで頭痛いww」

「ごめんw」


みかんゼリー買ってきたよ、って渡されて、みんなほんとわかってんなぁって笑ってしまった。

こないだなーくんも買ってきてくれたもんね。わたしが風邪引いたら絶対食べるみかんゼリー。


「ありがとね」

「んーん。俺がしたかっただけだし」

「よしよし、いい子いい子」

「すーぐ子ども扱いする〜」

「はたちなんて子どもよ子ども」

「じゃあゆにちゃんおばさんじゃん」

「はぁ？6コしか違わないんですけど？」

「言ってること矛盾してっからwww」

「お姉さんって言って」

「じゃあ子ども扱いしないで」

「はいはい」

「あーほらそういうとこ！」

「ムキになるとこが子どもっぽいんですぅ〜」

「待ってそうやって言ってるゆにちゃんもじゅうぶん子どもっぽいんだけどwww」

「ほんまや」

「うぜえwwww」


莉犬と話してたらちょっと元気になってきて、今ならなんか食べられるかも、と思ってみかんゼリーを食べることにした。

うま……やっぱみかんは大きいほうが食べごたえあっていいよね。


「わたし薬飲んだら寝るし、莉犬も適当に帰ってね」

「ん。鍵借りていい？」

「締めてくれるの？ありがとう〜」

「どいたま〜」

「あ、冷蔵庫に作り置きあるからよかったら持ってく？」

「まじ！？いーの！？」

「入れ物は洗って返してね」

「うん！やったー、ゆにちゃんのご飯！」

「かわいい〜」

「その心の声漏れちゃったみたいなのやめてくんない？ww」

「ごめん思わずww」


るんるんで冷蔵庫を覗く莉犬にほっぺが緩んだ。

薬飲んでまた寝るかぁ。


　

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