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画面に映し出される動画に群がる乗客たち。
これは合成だ。
嘘だろ。
フリー素材とかじゃなくて？
ちゃんと確認したのか。
戸惑いの声が車内をざわつかせる。
「ほんまの砂漠？」
「ちょっとどういうことか.....」
都内へ向かう電車が脱線し周りは森と砂漠でした、なんて話、すぐに受け入れられるわけがない。
先程その光景を目の当たりにしたわたしでも、まだ信じられないのだから。
「なんでもいいけど帰りたい！」
黒髪の女性が不貞腐れたように座席へ腰を下ろす。
自分たちの車両だけ飛ばされたのかと、中年男性が声を上げる。
再びざわつく車内。
「おかしい、こんなのおかしい！周囲に誰もいない、街もない、通信手段もない！無い無い尽くしで普通の事故とは考えにくいような.....」
早口でまくしたてたメガネの青年は、険しい表情をしながら拳で眉間をとんとん叩いている。
はい！仮説立てます！と金髪の青年がスケッチブックを取り出した。
彼は確か異変が起こる前、わたしの前方でタブレットを見ていた青年だ。
「その1.....ただの事故でないなら、トンネル入った瞬間ミサイルどーん！！して、俺らだけ生き残った！」
ささっと図を描き、得意げにそれを掲げた青年。
近くにいた乗客が不安そうな顔を見せる。
「ちょっと待って.....家族はどうなるの.....」
祈るように手を合わせていた小綺麗な女性が小森さんに詰め寄る。
なんとか確認できないかという問いに、小森さんは力なくできませんと首を振るだけだった。
「それか仮説その2！俺らがもう死んでて、三途の川の1歩手前！集団催眠的な！もしくは、異世界転生のウェイティング状態。」
「異世界.....」
腕を組んだ白浜さんが、聞きなれないという顔で言葉を復唱した。
中年男性は日本語で喋ってくれよと野次を飛ばす。
「俗に言う今際、いわゆる生まれ変わり.....ってことね.....」
「そうそう！お姉さんは話が通じるみたいやね！」
人懐こそうな笑顔をこちらに向ける青年。
次の仮説であるパラレルワールドを説明しようと、興奮した様子でスケッチブックをめくった。
隣にいる女性にもういいよと止められた彼は、自分がゲームの専門学校に通っており妄想好きなのだと述べた。
彼の仮説はありえない話ではない。
わたしもこの場所に来た時、異世界ではないかと考えてしまったのだし。
兎にも角にも、わたしたちは白浜さんの提案で一旦乗客名簿を作ることにしたのだった。
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おこめ(プロフ) - 彩海さん» 彩海さん、今際に引き続きありがとうございます🥹色んな作品読んでくださって本当に嬉しいです！お褒めの言葉、更新のモチベーションにさせていただきますね💐続編もどうぞよろしくお願いいたします！ (5月24日 9時) (
レス) id: 9157f8724a (このIDを非表示/違反報告)
彩海(プロフ) - おこめさん！こっそり読ませてもらっていました！一話一話読み応えがあってとっても面白いです😌表現が繊細なのにすごく読みやすくて流石の文才だなあといつも感動してます！続編楽しみにしてます！頑張って下さい💘 (5月24日 8時) (レス) @page46 id: 3fb936871f (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - くまさん» くまさん、またコメントくださってとても嬉しいです☺️5話ドキドキの展開でしたね.....！！まだ落ちについて明言はできませんが、これから主人公と萱島さんの関係がどんどん深まっていきますので是非楽しみにしていて下さい！ (5月22日 10時) (レス) id: 9157f8724a (このIDを非表示/違反報告)
くま - いつも素敵なお話ありがとうございます！ドラマの展開がアツすぎて！こちらのお話がどうなっていくのか楽しみです！！夢主ちゃん、萱島さんと結ばれてほしいです〜🥺 (5月21日 13時) (レス) id: 04b5add429 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - ゆんさん» ゆんさん、コメントありがとうございます！お褒めいただきとても嬉しいです☺️頑張って更新してまいりますのでこれからもよろしくお願いいたします！ (5月17日 20時) (レス) @page36 id: 9157f8724a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おこめ | 作成日時：2023年4月22日 16時
