俺たちのマネージャー！

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▽


「薫、監督から伝言！明日の練習から参加してもいいけど無理はするなって」

「おっけ、ありがと」

「ホントに気を付けてよ！！！」


無事合宿1日目終了。

食堂に移動した私たちは各自夕飯を取って、終わった人からお風呂、11時には就寝という普段の私じゃ考えられない健康的なスケジュールで動いていた。

食堂のおばちゃんが作ったとびきり美味しいカレーを頬張っていると「隣いい？」と声をかけられる。顔を上げると伊東先輩がトレーを持って立っていて、私はこくりと頷いた。


「お疲れAちゃん」

「先輩もお疲れ様です！」


伊東先輩は私の隣に座ると、何故かジーッとこちらを見つめてくる。なんだろう、凄く食べずらいな！その上斜め前にいる薫は何故か少し機嫌が悪そうだし、もう最悪の席だ。


「……なんで見てくるんですか！！！」


無視して食べ続けようと思ったけど無理だった。流石にこんなに見られていたら食べれない。というか伊東先輩もカレー冷めちゃうから早く食べた方がいいと思う。



「薫、って呼んでる」

「え？……ああ、昔はそう呼んでたんですよ！」

「でも前まで三笘だったよね」

「なんかもう面倒くさいので戻しました」


正直三笘って呼ぶの凄い呼びにくかったし、まあ女子の前で薫と喋らなければ平気だろうと高をくくることにした。なんだかそのうちやらかしそうだけど、まあその時はその時だよね。

へー、と言う伊東先輩は納得がいってなさそうで、もうどうしたらいいか分からない。聞かれたから答えただけなのに！


「俺のことは？」

「？何がですか？伊東先輩？」

「下の名前で呼んでくれねえの」


………この人も子供か！！！

薫といい伊東先輩といい、そんなことで拗ねるなんて私のことをお母さんだとでも思ってるのかな。まあ確かにマネージャーってお母さん感あるかもしれないけどさ。


「流石に先輩ですし呼びにくいですよ」

「じゃあ俺もAちゃんのことAって呼ぶから」

「じゃあの意味が分かりません！何がじゃあなんですか！」


全然交換条件が成立してない。別に私は呼び捨てで呼ばれたいなんて一言も言ってない！



「駄々こねてないでカレー食べてください」

「呼んでくれるまで食べない。あーあ俺のカレー冷めちゃうな」

「………」

「あったかいカレーが食べたかった」





「……………ああもう！！！分かりました！！純也先輩って呼びます！！いいですかこれで！」



私ってなんでこんなに弱いんだろう。

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