俺たちのマネージャー！

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「ど、どこだここ……！？」


AA、ただいま迷子です。

監督にビブスが足りないから予備を取ってきてくれと頼まれたわけだけど、建物がデカすぎて見事に道が分からなくなった。方向音痴なんだからちゃんと地図とか書いてもらえば良かったなあと項垂れるが後悔しても仕方ない。

とにかく早くビブスを保管してある部屋を見つけて早急に監督のもとに戻らねば。止まっていても仕方がないのでとにかく歩き回って手あたり次第扉に手をかけるが、ほとんどが閉まっていて入れない。

本気でどうしよう！といよいよ本格的に焦ってきた時、ポンッと肩を叩かれた。


「いた！Aさん、やっぱり迷ってた？」

「板倉くん…！うわあぁめっっちゃホッとしたよ今！！よかったああぁあ！」

「監督が『多分迷子だから探しに行ってやってくれ』ってさ、当たりみたいだね」


爽やかに笑った板倉君の笑顔が眩しくて目が開けられないよ！

ちなみに板倉君は1年生の時クラスが一緒だったから、サッカー部に入る前からの知り合いだ。まあめちゃくちゃ仲良し！ってわけではないんだけど、それでも他のサッカー部員よりはまだ関係が深いと思う。


「ちなみにビブス置いてあるのはこっち、ついてきて」

「本当に申し訳ございません……」

「全然いいよ、ここ広いから初めてだと分からないよね」


天使じゃん。ここのところ伊東先輩にからかわれ三笘に罵倒され堂安君に犬呼ばわりされるっていう酷い仕打ちばかり受けてきたから、板倉君の優しさが心に染みるよ……！

ジーンと感動しつつ板倉君についていくと、無事ビブスが置いてある部屋についた。こんな奥まったところに部屋があったなんてね、分かりにくすぎるよ！


「あ、板倉君は持たなくていいよ！私が持つ！ダメ！」


板倉君からビブスを奪い取って部屋から出る。あまりの勢いに苦笑されたけどそんなこと気にしません。迷子のところを助けてもらった挙句モノまで持たせるなんてできるはずない。


「Aさん一人で大変そうだよね毎日」

「でも楽しいよ！みんなとちょっとずつ仲良くなれてる気がするし」

「ホントに、Aさん来てから明るくなったよ」


それはなんだか、少し照れる。

何て返して良いか分からず笑って誤魔化すと「あ、照れた」とからかわれた。意外と板倉君も人をからかうのが好きらしい。

照れ隠しに変顔でもしてやろうかと板倉君に視線を向けようとしたけど、身長が高すぎて首が痛かったのでやめた。巨人め！

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