10 ページ11
▽
「あっ、ぶねー……」
「し、死ぬかと思いました…走馬灯が…」
体勢を崩した私はそのまま真下に落下、と思いきや伊東先輩が見事にキャッチしてくれて、何とかことなきを得た。
ごめんなさい…、と抱えられたまま謝ると、伊東先輩は「怪我してない?」と心配の言葉をかけてくれる。優しすぎて頭の上に天使の輪っかが見えるよ…。
「で、いつまでAは純也君にお姫様抱っこされてるの?」
「ッそうだった!ごめんなさい!降ります!」
「俺は別にこのままでもいいけど」
よくよく考えたら突然部室に入ってきた三笘に驚いてバランス崩したんだから謝ってくれないかな!
そう言おうとしたけど、パッと三笘の顔を見ると完全にキレていたので何も言えなくなった。ごめんなさい。
「伊東先輩ホントにご迷惑を……」
「いいよ別に、怪我しなくて良かったね」
「優しすぎて涙出そうです……」
ペコペコとお辞儀をしながら感謝と謝罪を述べる。チラリと三笘に視線を移すとやっぱりイライラしていた。いつもだったら「更年期?」とか言って揶揄うところだけど、今回ばかりは完全に私のミスだ。
「三笘、怒ってる?」
「怒ってないけど」
「怒ってるじゃん………」
顔に『怒ってます』って書いてあるもん。
どうしよう、とオロオロしていたら伊東先輩が「俺が肩車するって言い出したんだよね、だから薫もあんま怒んないであげてよ」と助け舟を出してくれた。
「………まあ、純也君が言うなら」
「やっぱり怒ってたんじゃん!!!!」
「はあ?そりゃ怒るだろ、怪我したらどうすんだよ」
「それは本当にごめんなさい……大切な選手の体に……」
改めて伊東先輩に頭を下げる。こればかりはもう謝ることしかできない。だって私が100%悪いし。
「純也くんもそうだけど、Aもだろ」
「?何が???」
「何がじゃなくて……」
はあぁ、と呆れたようにため息をつかれ困惑してしまう。全く意味がわからない。
「Aちゃんに怪我がなくて良かったってこと」
伊東先輩がそう言って笑った。
…………いや三笘に限ってそんなわけ!
「違いますよ!三笘は私のことサイボーグだと思ってるので、怪我の心配とかするわけないじゃないですか!」
「マジで二度と心配しないからな」
.
601人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MONO(プロフ) - kubo......さん» ありがとうございます!🥹久保選手も登場させる予定なので、気長にお待ちいただけると幸いです!☺️🫶🏻 (2022年12月15日 1時) (レス) id: 5624c1bc78 (このIDを非表示/違反報告)
kubo...... - 久保選手が好きなのですが、お話を読ませて頂いて、伊東純也選手にも惹かれました!カッコイイです! (2022年12月15日 0時) (レス) id: ab23184136 (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 翡翠さん» 初めまして!コメントありがとうございます!☺️🫶🏻わ〜!ラブコメ大好きなので、そう言っていただけるととっても嬉しいです!🥲❤️🔥後輩ポジから…!じわじわ男見せていってほしいですよね!笑 (2022年12月14日 20時) (レス) id: 5624c1bc78 (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 優碧さん» 初めまして!いつもありがとうございます!☺️❤️🔥わ〜!めちゃくちゃ素敵です!ぜひぜひ書かせていただきたいです!😭🫶🏻素敵なリクエストありがとうございます!気長にお待ちください!🙆 (2022年12月14日 20時) (レス) id: 5624c1bc78 (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - luwaさん» コメントありがとうございます!素敵なリクエストだったので、すぐに書きたくなってしまいました!😭💖また何かありましたらお待ちしております☺️❤️🔥🫶🏻 (2022年12月14日 20時) (レス) id: 5624c1bc78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:MONO | 作成日時:2022年12月9日 22時