某村煩悩集

黄緑ローズ - 狂気に呑まれる ページ40

お久しぶりです…ずっと絵描いてました、ほんと申し訳ない。そのうち表に出せないようなカプ絵はこっちにあげますので…
1ヶ月半くらい寝かせた黄緑さん動画ネタです。ヤンデレロール(？)する黄緑さんとまたしても何も知らないローズさんの話。

———

「——へ…？」

人っ子一人いない船内のスクリーンに映し出されたのはインポスターの勝利を告げるものでも、クルーメイトの勝利を告げるものでもなく、『ヤンデレ』の勝利を告げるものだった。

「やっと2人きりになれましたね、ウパパロンさん？」

背後から声が聞こえたかと思えば、両腕が伸びてきて私の体が絡めとられる。いわゆるバックハグってやつだ、これ。
募る恐怖を見て見ぬ振りして、その勝者であるヤンデレの正体を確認するべく恐る恐る背後を見やる。

「レイマリ、さん…？」
「んふふ、やぁっと名前呼んでもらえた…ずっと、ずーっと聞きたかった…♡」

両頬に手を這わされ、視線が逸らせなくなる。狂気に満ちた視線を、一身に浴びせられる。——逃げられない。

「レ、レイマリさ——」
「ストップストップ！」

恐怖に体が動かなくなっていたところ、めめさんが私たちの間に割って入ってきた。

「もう試合終わったんですからロールプレイはいいですって！」
「いやぁ、ガチすぎて見てるこっちまでビビりましたよw」

次々とみんなが集まってきて、騒がしくなっていく。
わいわい、がやがや。今回の試合の反省や、勝者であるレイマリさんの立ち回りを褒めたりキルされた恨み辛みを愚痴ったりするみんなの声で狂気から引き戻される。

(でも、あの目は…)

皆に囲まれて話しているレイマリさんをちらりと見遣る。その目には先ほどのような狂気は一切宿っておらず、いつもの穏やかな色へと戻っていた。
——ふと、視線をこちらへ向けたレイマリさんと目が合う。

(これ気まずいやつ…！)

咄嗟に視線を逸らすも、レイマリさんはこちらへ歩み寄ってくる。聞こえる足音が近くなっていく。私の目の前まで距離を詰められる。き、気まず〜〜！！！
どう話しかけたら良いかと思考を巡らせていれば、レイマリさんの方から口を開いた。

「…今の、冗談じゃないですから。」
「……え、それって——」
「いやあ！！今回の私の動きどうでした！？天才的じゃないですかこれ！！」

…ああ、やっぱりあの目は、あの狂気は。

(ロールプレイで出せるものじゃ、ないよなあ…)

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